読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

マリア様がみてる~バラエティギフト 今野緒雪著/ひびき玲音イラスト 集英社コバルト文庫 2004年

 「マリみて」シリーズ16作目。番外編4編と、つなぎ(?)一編収録。
 『バラエティギフト』:江利子からお菓子の詰め合わせ、バラエティギフトが薔薇の館に差し入れされる。何か隠れた意図がある、と怪しむ由乃。果たして、それには由乃にしか解らないメッセージが込められていた。
 『降誕祭の奇跡』:小学六年の時、黒須ひかりは眼の手術の為入院していた。不安な一夜を過ごすひかりを、同室のキョウコが力づける。すっかり「キョウコさん」に憧れたひかりは、キョウコの通うリリアン女学園に進学して彼女を探すが、どこにもその姿はない。高二まで進んだある日、奇跡が訪れる。…
 もう一編。鹿取真紀の姉と社会科の教師・渥美先生は婚約しているが、まだ内緒の状態。そんな渥美先生にクラスメイトの安倍美嘉は仄かに想いを寄せていた。真紀と渥美との間が誤解され噂になった日、美嘉は先生に上げる為に作っていた天使のマスコット人形を真紀に渡す。元々身体の弱かった美嘉は、そのままこの世を去る。真紀は誤解を解けないまま、マスコットも先生に渡せずにいた。
 『ショコラとポートレート』:バレンタインデー企画の宝探しに紛れ込んだ中等部の笙子。写真を撮られることの嫌いな笙子に蔦子はカメラを向け、ささやかな交流が生まれる。あまりうまく行っていなかった姉との関係にも、少し雪解けが訪れる。
 『羊が一匹さく越えて』:梅雨時、乃梨子祐巳に向けて語った入学時のエピソード。
 『毒入りリンゴ』:バラエティギフトを届けた後、江利子は聖と久しぶりに出会い、ちょっと近況報告する話。…
 
 「赤毛のアン」シリーズの「アンの友達」や「アンをめぐる人々」みたいな作り。今まであまり書かれてなかった江利子由乃の関係もクローズアップされてます。…そうか、黄薔薇の長姉と末妹の間柄は、こういう感じだったのか。確かに納得行くなぁ。キャラクターよく立ってるよなぁ。