読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

アダルシャンの花嫁 雨川恵著/桃季さえイラスト 角川ビーンズ文庫 2004年

 このシリーズはまいさんにお借りしました。まいさん、いつもありがとう♪
 アダルシャン王国は大陸の北に位置する辺境の小国。主人公アレクシードは王弟にして近隣国から「黒い悪魔」と恐れられる青年将校。大国カストリアとの戦に勝利し、その和睦の条件として異母兄ユーゼリクス王が結んできたのは、アレクシードと皇女ユスティニアとの結婚だった。相手がたった十歳と知って納得できないアレクシード。しかし怜悧な兄が苦手な彼は婚姻を拒否できない。やがて輿入れしてきた皇女は、幼いながら彼の命を狙っていた。…
 まさしく王道を行くファンタジー。兄弟萌えで主従萌え、もしかしたら下克上、ロリコンもあり、お兄さんツンデレかも(笑)。
 一通りの設定説明が終わった後半、少しサスペンス仕立てになりますが、犯人の察しがついてしまうのはまあ仕方ない所。何しろ登場人物少ないので(笑)。メインはこのエピソード後、激しく落ち込むアレクシードをユスティニアが癒す場面でしょう。このまま大いに盛り上がって一気にラストに行って欲しかった; 間に兄王とアレクシードの副官フラッドが、犯人自身自覚していなかったであろう心情を語ったり、冷たく見える兄が実は弟思いだったり、というエピソードが入ります。…これ、もっとコンパクトにまとめて欲しかった; 必要ではあるんだけど、気持ちが一旦クールダウンしてしまう。そのせいもあってか、どうもこの場面の文章がだらだら見えてしまうのは私だけかしら、勿体ない;
 …実はイラストがあまり好みではありません; この小説の場合、小さい女の子をもっと上手く描けるイラストレイターさんの方がよかったんではないかしらん。せっかくユスティニア可愛らしいのに。
 それにしてもこの皇女さま、年頃になってもこの言葉使いするのかなぁ。