読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

星の綿毛 藤田雅矢著 ハヤカワSFシリーズJコレクション 2003年

 舞台は砂の惑星。砂漠を耕す銀色の装置が移動しながら種を蒔いていく。その後ろをムラ人が、作物を収穫しながらついていく世界。ニジダマはそのムラに住む少年。いずれムラを出て「トシ」に行くことを夢見ている。やがて、トシとムラを行き来する交易人ツキカゲがやって来た。ニジダマはツキカゲと共にトシへと旅立つ。…
 これ、主人公ツキカゲですよね。ゆっくりと滅び行く人類を見届ける最後の一人。初めは気力溢れていたのに、だんだん現状に満足していくかつての仲間、ノノフシ。クロモジは別の手段で活路を見出そうとするが、それが思いも掛けない結果を導き出す。
 連想したのは「火の鳥」未来編(…だと思うんだけど;)や新井素子著「チグリスとユーフラテス」。テーマ自体に新しさはないと思うんですが、植物と絡める所でこの作者の面目躍如。イシコログサに飲み込まれた人達はそのままの形でいるのかなぁ、それとも養分になってしまったのかしら。
 あとがきを読んで少々驚きました。藤田さん、本当に小説家になりたかったんですね。この人の経歴や今までに出てるノンフィクション系の作品とか見てたら、今就いている職業でも充分好きなことをやってらっしゃるように見えるのに。
 今回のこの本、私の利用している市立図書館にはなくて、他市からの借り受けになりました。読めて有り難いのは有り難いんですが、2003年の発行物がもう手に入らないの?; それとも予算不足で購入できないとか??; 巻末のインフォメーション見たら高野史緒著「アイオーン」って宣伝してあって、私それも読みたいなと思ったんですが、果たして手にできるのかしら?? とりあえず予約してみますが;