読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

かわたれどき 畠中恵著 文藝春秋 2019年

 『まんまこと』シリーズ7冊目。連作短編集。
 ネタばれあります、すみません;

 きみならずして
麻之助の前に現れた娘は、楓屋のおりょうと名乗った。曰く、麻之助との縁談がまとまりそうなのでお顔を見に来たという。麻之助には全く寝耳に水の話、しかもどうやらおりょうには、縁談相手に不幸が訪れるという噂があるらしい。根も葉もない噂は、どこから湧いたのか。

 まちがい探し
地本問屋 喜楽屋の店主と手代が持ち込んだのは人探し。枕絵の販売禁止をくらった喜楽屋は新たな絵師を探していて、目を着けたのが持ち込まれた金魚の絵の描き手。この絵師の技量は確かだ、きっといい枕絵を描くと意気込んでいる。やがて描き主として二人の人物が名乗り出て来た。

 麻之助が捕まった
五国屋夫婦は一度店を傾けて、大坂へ出た。双子の息子のうち一人は泣く泣く手放し、残った一人は流行り病で亡くした。今一度、一旗揚げて江戸に帰って来て、生き別れの息子を探しているという。だが夫婦は、折角見つけた息子を疑うような言動をして、息子の信用を損ねてしまった。そんな夫婦の元に、息子の義弟の借金を払えと言う輩がやってくる。

 はたらきもの
天狗が出ただの、天から金が降っただの、妙な噂が飛び交っている。麻之助は仕方なく、噂の出どころを調べることに。札差のドラ息子まで絡んで、しかし話は新しい遊郭の建造などと言うとんでもない方向に流れ始めた。

 娘四人
両替屋小加根屋を回っていた同心が和木坂から別の者に替わった。それに伴って店を貶めるような嫌な噂も流れているという。娘の緒りつは麻之助に相談を持ち掛けて来た。聞けば、それは和木坂からの申し出で、でもその理由は語らないという。和木坂の本心を探った麻之助は、小加根屋が盗賊に狙われているかもという危険性に気が付いた。

 かわたれどき
深川で大水が出た。お雪は大水に流されたが九死に一生を得る。助けてくれたのは矢田屋の若旦那、やはり水に流された妻を探していた所だった。奉公人上がりの若旦那は矢田屋の中で上手く行っていなかったらしい。妻を亡くした若旦那に上がる心無い噂、だが麻之助はその本心を察する。麻之助も自身の心を。…


 シリーズ、といいながら前回までの内容あまり覚えていなくてですね(すみません;)、お雪さんって誰だったっけ(←おいおい;)。でもとりあえず、麻之助は次のお嫁さんを心に決めたようです。大水でここ2~3年の記憶を失ってしまったお雪さん、新たに恋をし直すのか、思い出すのか。
 次巻に続きます。