読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

あきない世傳 金と銀 五 転流篇  高田郁著 2018年 角川春樹事務所

 シリーズ5冊目。
 ネタばれあります、すみません;

 桔梗屋を買い上げ、新たな態勢に入った五鈴屋。母が亡くなったことを切っ掛けに妹・結を引き取り、彼女の素朴な疑問が幸に新たな商売の工夫、帯へのこだわりを思い付かせた。
 子宝を授かって喜びに沸いたのも束の間、死産で自らの命も危うくなったが、それは五鈴屋の結束を固めることにもなった。
 人形浄瑠璃から人気に火の着いた「忠臣蔵」の演目は歌舞伎にまで広がり、衣装協力をした五鈴屋考案の鯨帯も新たに五鈴帯と命名されて大評判。いよいよ江戸進出、しかし眞澄屋さえ営業不振にあえいでいるという報告に怖気づく幸。だが智蔵は、江戸には「女名前禁止」の掟がないと聞きつけて、幸の為にも江戸へ出るべきと説得する。…

 2月18日第一刷、2月28日第二刷?? 凄い売れ方だなぁ。
 例によってこのシリーズは母が先に読んでまして。今回 何でこんなことしたんだろう、と腑に落ちない点があった、と言ってたのを「どの場面のこと?」と訊いたら、「幸を流産(死産、かな)させたこと」。「必要だとは思えなくて」。…登場人物の行動規範ではなく、作者側の疑問でしたか。確かに、「子供ができない」ままでも済んだことではあったかなぁ。
 「忠臣蔵」が人形浄瑠璃から始まった、しかも大阪から、ってのは初めて知りました。順調に売り上げを伸ばしていく様はやっぱり爽快。木綿織物への思いも折に触れ語られます。
 智蔵が倒れて5巻は終わります。江戸へ出店しようか、って矢先だったのに。どうも過酷な運命が続くなぁ。次巻に続きます。