読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

新説 狼と香辛料 狼と羊皮紙Ⅳ   支倉凍砂著/文倉十イラスト  メディアワークス電撃文庫  2019年

 シリーズ4冊目。

 ウィンフィール王国第二位の港湾都市ラウズボーン。ニョッヒラを出て初めての大都市に心躍らせる賢狼の娘ミューリと、教会変革の使命を胸に燃やすコルだったが、二人を待ち受けていたのは、武装した徴税人たちだった。
 ハイランドの機転で窮地を脱した二人。どうやら「薄明の枢機卿」と讃えられるコルの活躍が、皮肉にも王国と教会の対立に拍車をかけていることを知る。
 徴税人たちの正体は、堕落した聖職者たちの落し子だった。孤児院でさらに小さい「過去の自分」の面倒を見ながら、教会に復讐を誓う人々、徴税人組合の副組合長エリーズ・シャロンはその最先鋒だった。
 王国と教会と徴税人組合の三つ巴、さらにコルの前に女商人エーブが現れる。東方で大成功を収めたエーブは、王国との貿易を独占しようと画策し、コルに自分の身元保証をして王国と顔つなぎするよう持ち掛ける。
 どうもそれだけが目的とは思えない。エーブの目的が最終的に戦争を起こすことだと気付いたコルは、徴税人と教会を和解させようと奔走する。だが、シャロンは頷かない。
 やがて、王国が徴税人を切り離した。暴徒とみなされた徴税人を包囲する王の軍勢。コルはエーブの隠された目論見に気付き、教会に閉じ込められた聖職者と共に、徴税人を逃がそうと算段。だが、教会にただ一人残っていた大司教は、徴税人を教会に引き入れることは、それこそ暴徒と断定されて仕方ないことになる、という。
 何か他の方法はないのか。シャロンたちの身の上に心を寄せていたコルは、何とか彼女たちを救いたいと知恵を巡らせる。…
                                    (表紙折り返しの紹介文に付け足しました)

 読むのに時間かかりました。こちらの体調もあったのですが、何か結構ややこしくてですね; いざ粗筋書いてみたらそんなややこしくもないような(←おい;)、いや、結構エーブの裏事情とか省いたもんなぁ;;
 教会と商人の繋がり、ってのはこの間読んだ佐藤賢一さんの十字軍の説明にも通じるものがあるよなぁ、と思いつつ。保証人というか大使館というかのような役割を果たしていたり、販路の拡大にも一役買っていたり。
 やっぱり見事にハッピーエンドに解決するラストは爽快。シャロンのお母さん、黄金の鷲はいずれ出てくるのかしら。
 次巻に続きます。