読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

青炎(せいえん)の剣士 紐結びの魔導師Ⅲ 乾石智子著 東京創元社 2019年

 シリーズ完結編。

 束の間の平穏は春の訪れとともに去り、リクエンシスたちが身を寄せたオルン村に、元コンスル帝国軍人ライディネス率いる軍がおしよせてきた。リクエンシスとトゥーラは、リクエンシスを追ってきた邪悪な化物に立ち向かうべく〈死者の谷〉に下り、戦線を離脱。地上に戻るとそこは、オルン村からひと月分も遠く離れたロックラントのど真ん中だった。ダンダンを道案内に、カダーへ急ぐ二人。だが途中、リクエンシスはまたイスリルの魔導師の残骸に襲われた。身内に入り込まれ、リクエンシスはイスリルの魔導師の過去を追体験する。母親からのプレッシャーの元、努力の末皇帝より魔力を分け与えられ、見事魔導師になったこと、だが後輩のイドルールドに出世を先越され、暗い執念から<墓暴き>の魔導に手を染めたこと、遠征先でたまたま出くわした呑気で豊かな生活を送っている魔導師に腹を立て、ヨブケイシスを呼び起こしたこと。そして、イスリルの魔導師は目標をライディネスに鞍替えする。
 リクエンシスとトゥーラはオルン村に寄ってマーセンサスとユーストゥスと合流、カダーで過去の拠り所、かつての栄光の第八師団の軍旗を手に入れたライディネスを追う。ライディネスは身内にイスリルの魔導師を受け入れ、暴れる力を捻じ伏せながら四千人の大部隊を東へ向かわせていた。
 あまりにも無謀な進軍。ライディネスはイスリルの魔導師に乗っ取られてしまったのか。リコとエミラーダを取り戻すための囮として立ち会っただけだったのに、ユーストゥスの持つ封印の剣はライディネスの中の魔導師にダメージを与えた。
 ライディネスを<レドの結び目>まで誘き出し、中の魔導師を過去の魔女たちと共に昇華させようと、リクエンシスたちはライディネスこだわりの軍旗を盗み出す。
 目指すは廃都キサン。リクエンシスたちの、命がけの鬼ごっこが始まった。…
                               (折り返しの紹介文に付け足しました)

 赤銅、白銀ときて青炎とは思いませんでしたね(笑)。
 え、マーセンサスとどっち?と思ってたんですが、ユーストゥスを指しているようで。…でも実は思いのほか目立たない(笑)。この先が描かれることがあるなら、そっちの話でメインになりそうな感じ。今回はそうなるまでの前日譚で。
 巻頭に地図、巻末に年表。うん、正しい判断です!(笑)