読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

落語家の通信簿 三遊亭円丈著 祥伝社新書 2013年

 落語は、聴く側(客)と演じる側(落語家)がいて、はじめて成立する。本書は、演者である落語家の視点で落語と落語家を論評した本である。
 伝説の名人から大長老、大御所、中堅、若手に上方落語家まで五三人を論評した「円丈による通信簿」だ。
 落語家が高座では見せない心の葛藤から「芸」の真髄まで、落語界のしきたりなど裏話も交えて、いきいきと活写していく。時に厳しく、時に愛情とおかしみを込めて――。
 落語家ごとにおすすめ演目も記しており、聴く際の参考になるだろう。読了後には、無性に落語が聴きたくなる…はず。さて、誰を聴くか?                          (表紙折り返しより)


 書架に並んでいたので借りてみました。これ当時、確か新聞の書評に載ってたんじゃなかったかな。
 円丈さんの落語を見たのは、多分30年以上前。「寿限無寿限無五劫のすりきれ…」を下敷きにした「酸素炭素クローンのすりきれ…」って文言を未だに覚えています。スローモーションで宙に舞うあんドーナツも。
 とはいえ関東の落語家さん、やっぱり関西ではあまりお見掛けできないんですが。…というか、私寄席行くほどの落語ファンではないからなぁ;
 で、本書です。…写真も載せて欲しかった…! 
 さすがにビッグネームの方々は分かりますが、「…これ、誰?」って方も結構いらしてですね; 後で調べて、ああ、この人だったのか、というのもあり、やっぱり知らねぇや、ってのもあり。(←おいおい;) メインが江戸落語だから特に、かもしれませんが。
 皆が絶賛する(私には分からないんですがね)立川談志の晩年の慢心を推測し、古今亭志ん朝の心の闇を垣間見る。落語評論家(?)の批評になってるんじゃないか、という脱線も(笑)。上方落語家からは、名だたる名人に加えて月亭可朝をチョイスされてましたね、意外、意外。桂枝雀のオーバーアクションのルーツは知らなかったなぁ。
 読んでる間中、私の頭の中の思考の口調が、この文章を真似るような感じになっていました。影響力あるなぁ、さすが(苦笑;)。