読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

アンと青春 坂木司著 光文社 2016年

 シリーズ2冊目。

 果てしない未来と、果てしない不安。甘いお菓子が、必要だ。待望の続編!
 ある日、アンちゃんの手元に謎めいた和菓子が残された。これは、何を意味するんだろう――
 美人で頼りがいのある椿店長。「乙女」なイケメン立花さん。元ヤン人妻大学生の桜井さん。そして、食べるの大好きアンちゃん。『みつ屋』のみんなに、また会える。
 ベストセラー『和菓子のアン』の続編。                     (内容紹介より)

 空の春告鳥
母親とのお出かけで、感じの悪い客と、対応のぴりっとしない店員とのやり取りを目にした杏子。そこの和菓子を口にしたが、今いちぴんと来ない。客が店員に放った言葉「飴細工の鳥」が気になった杏子は、その意味を聞いて自身落ち込む。

 女子の節句
バレンタインイベントが済んで、杏子は友達と一緒に京都に旅行に行くことに。立花さんお勧めの和菓子店を回ったりしながら、思い出したのは一人の客。上品で優しそうで、でもどうやらお嫁さんに不満があるらしい。はっきりとは言えないその不満を、和菓子になぞらえて主張しているようだ。

 男子のセック
洋菓子店『金の林檎』に代わって入ったのは『K』、男しかいないという焼き菓子店。そこの店員、何とも頼りない柏木さんに、杏子はどうも懐かれてしまったらしい。いつもは穏やかな立花さんが何故か柏木さんには当たりが強く、とばっちりを喰って杏子との仲もぎくしゃくしたものに。椿店長とも働き方について注意をされて…。

 甘いお荷物
母親と子供がもめている。母親は子供の食べるものにかなり注意を払っている様子、初めはアレルギー対策かと思ったが、それだけでは説明がつかない。健康法の一種なのか、それとも。

 秋の道行き
立花さんが一週間お休みを取った。旅行に出ると言い、別れ間際に和菓子の差し入れ、上生菓子が二つ。『秋の道行き』と『はじまりのかがやき』という名前までついていた。この和菓子が意味するものとは何か、立花さんの旅の行く先は。…


 自分に自信がない杏子ちゃん、接客態度を咎められたり、一生懸命を「はき違えている」と注意されたり、立花さんと揉めてしまったり、ちょっと災難続きです。でも何食べる時でも相変わらず美味しそう(笑)、これは周りの人を幸せにしますよね。
 謎解きとしては相変わらず、ちょっと強引じゃないかい、というような結末もなきにしもあらずなんですが、でも今回の『甘いお荷物』の種明かしにはどきっとしました。そう、申し訳ないけれど、このお母さんの気持ちは理解できてしまう。
 これ、次回は恋愛沙汰に行くんでしょうか、それこそ『アンと愛情』で、立花さんと柏木さんと三角関係?(笑) なかなか楽しみです。