読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

怪盗不思議紳士 我孫子武丸著 角川書店 2018年

 ネタばれになってます、すみません;

 名探偵・九条響太郎役は絶対に譲れない。また僕が演る!!
 関智一氏、絶賛!!

 何故名探偵は殺されなければならなかったのか
 少年助手は、恩人である探偵の名誉を賭けて闘いを挑む。
 ミステリ界の奇才X演劇のコラボレーションが生んだ謀略とスリルに満ちた、痛快な冒険ミステリ活劇!      
                                       (帯文より)       

 終戦間もない日本。戦災孤児の草野瑞樹は、ある事件をきっかけに探偵の九条響太郎の助手になる。警察にも頼りにされる名探偵・九条探偵は、「不思議紳士」と名乗る、神出鬼没で変化自在の怪盗とは宿敵同士で、数々の対決は伝説であった。戦時中鳴りを潜めていた不思議紳士の仕業と思われる窃盗事件が久しぶりに発生するが、調査の最中、探偵は爆殺されてしまう。
 悲しみに暮れる瑞樹の前に、九条響太郎そっくりの男が現れた。山田大作と名乗るその男は、九条の生前、彼の身代わりを務めたことがあるという。瑞樹は大作を本物の九条として世間に発表し、怪盗一味をおびき出すことを思い付く。
 折も折、龍乗寺子爵邸に不思議紳士からの予告状が舞い込んだ。子爵令嬢・龍乗寺百合江からの依頼を受けて、瑞樹達一行も龍乗寺邸に乗り込む。館にいたのは、義賊に奪われる前に数ある美術品を抑えようとするGHQ、九条と顔馴染みの四谷警部、その部下で九条を快く思わない一柳刑事。特にGHQのスミス少佐は暴力で大作を痛めつけるが、意外なことに大作は粘り強さを見せる。
 身体能力を生かして龍乗寺邸に潜入してきた怪盗団を一人捕まえはしたものの、飲み水に毒を入れられ、絶体絶命に。怪盗団は解毒剤を手に、屋敷の者を脅しつけた。
 戦後、変わってしまった不思議紳士の真の狙い、正体が、今明かされる。…
                             (前半、出版社HPの紹介文を利用しました)

 関智一さん主催の劇団ヘロヘロQカムパニーのために書かれた台本を小説化したもの。元々は何年も前に上演された別の作品だったものを、プロットだけ拾い上げてしてリメイクした作品、だそうで。
 最初、連想したのは北村想作品。一時期、よく舞台見に行っていたもので。
 大作が本当に響太郎ではないのか、という疑いは結構最後の方まで持っていました。大作自身の言葉によって論破されるんですけどね、そりゃそうだわ、って。で、大作意外にかっこいいんですけど、でも最後に美味しいとこかっさらっていくのは不思議紳士の方だったり。(←私見
 偽不思議紳士の言い分にも結構納得できる所はありましたね、でも関係ない人を巻き込むのはどうかとも思いますが、で、やっぱりそこを指摘されるんですが。
 初演の映像も台本も残っていないとのことなんですが、いや、徹底的に探せばどこかにあるんじゃないかな、と思いつつ。初演の方は誰が脚本書いたんだろう、どういう内容だったんだろう、とそちらの方も気になってしまいました。