読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

大人の教養として知りたいすごすぎる日本のアニメ 岡田斗司夫著 KADOKAWA 2017年

 このポイントを押さえるだけで、どんなアニメも10倍面白くなる!

・そもそもアニメと実写の違いは?
・アニメの「構造」はどうなっている?
・戦争、青年の喪失……あの作品は何を描いたのか?

 日本のアニメは、未曾有のゴールドラッシュ。アニメのすべてを知り尽くした著者は、そう断言します。
 世界中の人たちが日本のアニメを夢中で観ているいま、映画のようにアニメを語れることは、必須の「大人の教養」なのです。
 すごすぎる名作たちの構造や、知られざる思想をひもときながら、読後には誰もが「アニメ通」になっている、驚きの一冊です。

【目次】
第1章 すべての映画はこれからアニメになる――『シン・ゴジラ』という庵野秀明の革命
第2章 世界標準の「ルック」とはどういうものか――『君の名は。』のもつ宇宙サイズの構造
第3章 誰も語らなかったジブリ作品の「変遷」――原作版『風の谷のナウシカ』から読み解く
第4章 緻密な演出が「優れた」SFドラマを生む――『機動戦士ガンダム』と富野由悠季の思想
第5章 そしてアニメは新次元に到達した――『この世界の片隅に』のすごすぎるリアリティ 
                                         (紹介文より)     


 ニコニコ動画で放送された内容をまとめた一冊、私は大体youtubeで見てました。ただ無料放送だけ(苦笑;)。『ナウシカ』の回なんて、本筋入る前に時間来てたりしてたと思うので、改めて読めたのは嬉しかったです。
 面白かったです。成程、と思うこともしきり。私は常々、少女漫画なんかでかっこいい男性を描こうと思ったら、まずそのお相手の女の子なりを魅力的に描かなきゃいけないんだ、っていうのを主張してまして。お相手が魅力的でなかったら、「どうしてこんな子を好きになったんだろう」「見る目ないなぁ」ってんで、その男の子の価値も下がってしまう。『シン・ゴジラ』で「ゴジラの強さを描くために敵の強さを描いた」ってのも似たようなロジックだよな、と強く頷きながら読みました。庵野監督が破壊神、ってのもちょっと納得。庵野作品ってなんだかデキる女の人が年上の男性との恋愛沙汰でぼろぼろになる、って展開が多いんですよね~、女の人の破壊の仕方は何で一辺倒なんだろう。ただ、「アメリカが日本に罪悪感を持ってる」って話には、うちの母は戦後を体験した者として、「そんなことはない」と言い切ってましたが。
 『君の名は。』で、主人公二人が名前を思い出せなくなったのは過去が変わったから、ってのも納得しました。そうか、あれどうしてだろう、と思ってたんですよね~。
 『ナウシカ』にしろ『ガンダム』にしろ、もう一度見てみたくなりました。
 『この世界の片隅に』は、完全版が出来たら見ようかな。
 
 岡田さんが『正義のミカタ』出演されなくなって約一年。面白かったのになぁ、今でも「これ、岡田さんならどう解説したのかなぁ」と思うことがあったりするし。でも「(この番組出てる為に)自分の信条が誤解される」みたいなこと仰ってたこともあったから、ご本人にとってデメリットの方が大きくなったんでしょうね。