読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

キアズマ 近藤史恵著 新潮社 2013年

 『サクリファイス』シリーズ4作目。

 ふとしたきっかけでメンバー不足の自転車部に入部した岸田正樹。たちまちロードレースの楽しさに目覚め、頭角を現す。しかし、チームの勝利を意識しはじめ、エース櫻井と衝突、中学時代の辛い記憶が蘇る。二度と誰かを傷つけるスポーツはしたくなかったのに――
 走る喜びに突き動かされ、祈りをペダルにこめる。自分のため、そして、助けられなかったアイツのために。感動の青春長編。                                 (紹介文より)


 そうか、初心者を描くのはシリーズ初なんだな、何だか新鮮(笑)。
 だからこそでしょうね、色々と初めて知ることも多くて面白かったです。ジャージって素肌に直接着るの、そりゃ貸し借りするの嫌だなぁとか、優勝したらいきなりスポンサーが付くのかとか。集団で行くだけで体力の消耗とか曳いてはタイムの早さが変わってくるとか、でもこれは理屈では分かるんだけど、相変わらずあまりぴんとは来ないんですよね。
 連想したのはアニメ『弱虫ペダル』。共通してるのは初心者が自転車競技始めた、ってだけなんですけどね、でもどうしてもサイクルジャージの色は黄色に思えて(苦笑;)。『弱ペダ』ではママチャリで秋葉原まで行ってた、って過去がこちらでは重いエンジン付き自転車を漕いでた、ってことになるんですね~(笑)。
 過去三作との繋がりってどこだったのかな、多分途中正樹をスカウトに来たプロチームだとは思うんですが。
 もうすっかり青春小説として読みました。躓きや後悔という言葉で片づけるには、あまりにも重い過去を主人公は背負ってはいるけれど。加害者の柔道教師の方はちゃんと背負ってるんでしょうね、とちょっと眉間にシワが寄ってしまいましたよ(苦笑;)。