読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

クリスマスを探偵と 文 伊坂幸太郎 絵 マヌエーレ・フィオール 河出書房新社 2017年

 クリスマス、探偵は一人の男を尾行していた。男が浮気相手と思われる女の家にいる間、探偵は公園で一人の青年と出会う。問われるまま、小さい頃のクリスマスの思い出を語る探偵。自分の贅沢な要求が家族を崩壊させてしまった筈のそれを、青年は違う角度から紐解いてみせる。今の「男」――父親の行動まで。「こじつけ、というのは嫌いですか?」「可能性のゲームみたいなものですね」…

 伊坂さんの短編を絵本にしたもの。ただ内容は父親の浮気を疑うもので、ちょっと子供向きではないかも(笑)。ただ、物事を違う方向から見て幸せな結末を迎えるラストはほっとしました。青年の正体は、伊坂作品の読者なら多分察しはついてしまうんですけど(苦笑;)。
 いかにも外国の人の絵だな、と言うのは人物を見た時に思いました。青年の絵に、何だかディズニーの『101匹わんちゃん大行進』を連想してしまいまして。
 伊坂さん、あとがきに曰く絵に感激してるとのこと。ただ読者としては、「白と赤の花を受け取って」って文なのに描かれている花束の色は黄色、というのは、やっぱりちょっと引っかかりましたよ、とこっそり言っておく(苦笑;)。
 …それにしても伊坂さん、何だか浮気を題材にした作品がこの頃多いような…。