読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

キノの旅ⅩⅩⅠ―the Beautiful World― 時雨沢恵一著/黒星紅白イラスト メディアワークス電撃文庫 2017年

 『キノの旅シリーズ21冊目。

 「巨人の国」
巨人の巨像が林立している国。どうやらそれはビルらしくて…。

 「有名になれる国」
この国ではラジオが大流行り。国民誰もがラジオ局を持っていて、みんなが情報を発信できる。キノを取材しようとついて回る輩もいて…。

 「美男美女の国」
シズ達一行が着いた国には、美男美女しかいなかった。移民条件もどうやらそれらしい。

 「Nの国」
越冬のために、三か月同じ国に滞在することにしたキノ。条件は「学校に行くこと」。コンピューターのネットワークで。

 「読書が許されない国」
国民が読書家ばかりの国。読書好きな王様は法律で読書を禁止した。

 「満員電車が走っている国」
鉄道網がとても発達した国。座ってのんびり通勤通学できる電車もあれば、超満員のすし詰め電車もある、その差は…。

 「消えた国」
川の上流にあった国から連絡が途絶えた。偵察のために送られた高速艇に、キノとエルメスも同行する。

 「完璧な国」
AIの発達した国。AIに子供を教育させて、完璧な人間“新人類”を育てさせようという計画が、今日一段落つくのだという。果たして現れた子供たちは、完璧に見えた。

 「鍵の国」
国民が一人一つずつ鍵を持っている国。一日一回国の中心に来て、そこにある石板に鍵を差し込んでは捻るのが習慣になっている。師匠が訪れた頃には伝統だったそれが、キノが訪問した頃にはほぼ廃れかけていた。その行為が何の意味を持つのか、碑文に書いてあるという。

 「女の国」
女性が優位の国に産まれたレジーとアルト。漸く持てたアルトの車で国外をドライブしていたら、商人たちに出会った。商人たちはアルトを、レジーを殺して自由を手に入れろ、と唆す。

 「毎日死ぬ国」
その国では、寝ることは死ぬことらしい。

 エピローグ・プロローグで「見える真実」
フォトの元に、治療を頑なに拒む老父のために、家の写真を撮って欲しいとの依頼があった。最近妻を亡くして気力を失くしている依頼人の父親の為に、フォトは「心霊写真」を撮ることにする。…


 再アニメ化された本作。あとがきもカラーだし、二本あるし、「アニメのあとがき」もありましたね、びっくりしたなぁ(笑)。私、普段オープニングやエンディングは抜かすんですが、あの回よく気が付いて見たことだよ(笑)。
 捻りの効いた話は相変わらず、これはネットを題材にしてるんだろうなとか、連想させるエピソードもありましたね。どうやら師匠の生い立ちらしいものもありました。…これは多分、初めての情報じゃないかな。
 生い立ちと言えば、今回のアニメでも大人のキノの話はありましたね。前回は井上和彦さんが演じた大人のキノ役が小野大輔さんで、へえ、と思ったのでしたよ。
 あと、火山噴火の話「優しい国」も入りましたね。前回のアニメから随分時間が経って、沢山のエピソードも増えて、でもこの二編は外せないんですね。
 さて、またアニメの続編はあるのかな。ストックはまだまだありますもんね。