読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

新説 狼と香辛料 狼と羊皮紙 Ⅱ  支倉凍砂著/文倉十イラスト  メディアワークス電撃文庫  2017年

 『狼と羊皮紙』シリーズ2冊目。ネタばれあります、すみません;

 港町アティフでの聖書騒動を乗り越えた、青年コルと賢狼の娘・ミューリ。
 ハイランド王子から次なる任務の依頼を受けて、アティフの北の島嶼地域へ向かう。今後の教会勢力との戦いでは、ウィンフィール王国と大陸との海峡制圧が重要になってくる。そのため、アティフの北の群島に住む海賊たちを、仲間にすべきかどうか調べてきてほしいというのだ。
 島嶼地域ではこの地域で産出される鉱石・黒玉から作られた“黒聖母”が信仰の対象であり、奇跡の象徴でもあった。曰く、迷った船を島に導いた、火山から流れる溶岩をその身に受け止めて防いだ、その後豊漁が相次いだ等々。コルには妙に思い当たる節のある話ではある。そしてその黒聖母の彫像を一身に担う修道士・オータム。彼は貧しいが故に人身売買される人々の、恨みと悲しみをその身に背負っていた。
 オータムの姿に打ちのめされるコル。その前に、ルウィック同盟と大司教の大型船が現れる。彼らは島に、奴隷を買い付けに来た。
 この現状をウィンフィール王国に伝えて助けを乞おうと、夜中、船に乗るコルとミューリ。だが船は海賊の襲撃に会い、コルは海に投げ出され、それを救おうとミューリも冬の海に飛び込んでくる。彼らを助けたのはオータムだった。彼のゆるぎない信念は瀕死のミューリの、コルへの愛情によって曲げられ、コルはオータムの正体を知る。そしてコルは、「奇跡を起こす」ことを提案した。
 奴隷船が出航する中、コルは黒聖母様の怒りを宣言する。…

 
 …重い、重いぞ; 
 教会だの宗教だのが絡むから仕方ないんでしょうが、とにかく重い。これどうやって解決するんだよ、ロレンスなら新しい産業なり観光名物なりを考えるんだろうけど、どうもそういう伏線はなかった感じだし、それにコルはそういうタイプじゃないよね、と考えることしきり。
 …うん、一応解決はしたんだけど、これは一時しのぎではないのかなぁ。全体のシリーズとしてこの思いテーマをどうまとめるのか、気になる所です。