読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

ニャンニャンにゃんそろじー 講談社 2017年

 アンソロジー集。
 ネタばれになってるかな、すみません;

 有川浩 『猫の島』
『アンマーとぼくら』番外編。
猫の写真の依頼を受けたカメラマンの父。父と、父の再婚相手晴子さんと共に、ぼくは猫の島竹富島に向かう。そこは父と晴子さんの思い出の地であり、ぼくはその時のエピソードを、右目の白く濁ったおばあさんから聞く。   

 ねこまき(ミューズワーク) ねことじいちゃん番外編『猫の島の郵便屋さん』
島の郵便屋さんは、今日も郵便を届けにスクーターを走らせる。ポケットをおやつでいっぱいにしながら。

 蛭田亜紗子 『ファントム・ペインのしっぽ』
三十前、仕事が面白くなってきた頃。遠距離恋愛をしていた彼との間に子供が出来て、でも死産という結果になった。その後生活が荒れ、彼との間が上手くいかなくなり、携帯ゲームの課金もばれて、彼のSNS上での愚痴を止めに離婚となった。一人暮らしの私が猫を飼い始めた頃、前の職場で一緒だった女性と偶然再会する。彼女は義手だった。

 北道正幸『ネコ・ラ・イフ』
ありとあらゆる動物や鳥が猫である世界。

 小松エメル 『黒猫』
明治の世、島田魁西本願寺で警備の仕事に就きながら、過去を回想する。妻とのなれそめや新選組での日々を。

 益田ミリ 『鈴を鳴らして』
家の近所で見かける猫と、自分を重ね合わせる。

 真梨幸子 『まりも日記』
作家デビューして4年、私は売れない小説家。派遣勤務で食い繋いでいるのに、誘惑に負けて猫を買ってしまった。自分の健康保険もないのに、猫の病院代に困窮する日々。でも猫のためなら仕方ない。例えマンションのローンが払えなくても。

 ちっぴ『ヅカねこ』
ヅカファンの自分たちの言動を擬猫化して。

 町田康 『諧和会議』
人間がいなくなって、ふとしたことから言葉を手に入れた動物たち。だが猫だけは、自由気ままな生活を送って規律を守ろうとしない。果たして猫も言葉を理解できるのだろうか、と根本的な疑問に立ち返った動物たちは、猫への使者を送ろうとする。…



 有川さんの新作かな、と予約を入れてみたらアンソロジーでした。…いや、気付けよ; 題名から分かる通り、お題は「猫」。
 有川さんの短編、おばあさんの正体はやっぱり多少察しはついてしまいました。まぁ、不思議の起きる島だしねぇ(笑)。
 真梨幸子さんの『まりも日記』の主人公には、本当、こんなに猫にでろでろになっちゃう人いるよなぁ、と可笑しいやら呆れるやら。そうか、経済力ないと猫飼っちゃいけないのね。…いや、ペット全般そうか。
 自分の興味があることにのみ反応する猫の習性は、オタクやファン気質とも共通するかも、とちっぴさんの『ヅカねこ』読んで思いました。
 西條奈加さんの『猫の傀儡』を読んだばかりですし、我が家の裏の物置の床下で猫が子供産んでたし、何だかこの頃猫に縁があります。…でも私は基本、犬派なんですけどね(苦笑;)。