読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

大奥 11~12巻 よしながふみ著 白泉社ジェッツコミックス

 十一代将軍徳川家斉から十二代将軍徳川家慶まで。
 ネタばれあります、すみません;

 

 遡ること実に百五十年。
 家光以来絶えて久しかった男性の将軍として誕生した、第十一代将軍・徳川家斉
 だが実勢を握り権勢を振るうのは、田沼意次を失脚させた、実母・徳川治済だった──。
 江戸城内から一掃された蘭学研究者たち。
 だが、市井にあっても黒木良順と青海伊兵衛は、田沼の、青沼の、そして平賀源内の赤面疱瘡に立ち向かう想いを、その胸に、しかと受け継いでいた…!!

 

 医療編、衝撃の結末!
 田沼意次、青沼、平賀源内、黒木、伊兵衛、そして十一代将軍・家斉…。連綿と受け継がれた赤面疱瘡撲滅への強い意志。その想いが辿り着いた場所は──。
 そして、新しい時代が始まる───!
                         (内容紹介文より)

 治済の狂気が何とも恐ろしい11・12巻。退屈しのぎに贅沢を楽しみ、孫を間引きする。
 家斉が推奨する赤面疱瘡の種痘接種への、一番の障害も治済。家斉は極秘に市井に降りた蘭方医たちと連絡を取って計画を進め、初めは猜疑心たっぷりだった蘭方医たちも、自らの子供を実験台にして医療方法の確立に努める。
 一方、子供を殺された御台や側室は、治済暗殺を謀る。

 

 蘭方医黒木たちが辿る道筋の先に、見え隠れする青沼や平賀の後ろ姿。もっと生きていれば、と思いますが、でも決して無駄ではなく、後進に繋がっているのが切なくも嬉しい。
 無能を演じた家斉、御台の裏切りも、「自分が情けなかったからだ」と自覚していたからに違いなく、でもそれでも彼女を心から信じることはできなかった寂しさ。
 12巻のラストは黒船来航、男女数はほぼ同じになったものの、十二代将軍は女性になるようです。
 次巻に続きます。