読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

〆切本 左右社 2016年

 「かんにんしてくれ給へ どうしても書けないんだ……」
 「鉛筆を何本も削ってばかりいる」
 追いつめられて苦しんだはずなのに、いつのまにか叱咤激励して引っ張ってくれる……〆切とは、じつにあまのじゃくで不思議な存在である。
 夏目漱石から松本清張村上春樹、そして西加奈子まで90人の書き手による悶絶と歓喜の〆切話94篇を収録。泣けて笑えて役立つ、人生の〆切エンターテイメント!

〈本書まえがきより〉
しめきり。そのことばを人が最初に意識するのは、おそらく小学生の夏休みです――。

 本書は、明治から現在にいたる書き手たちの〆切にまつわるエッセイ・手紙・日記・対談などをよりぬき集めた“しめきり症例集”とでも呼べる本です。いま何かに追われている人もそうでない人も、読んでいくうちにきっと「〆切、背中を押してくれてありがとう!」と感じるはずです。だから、本書は仕事や人生で〆切とこれから上手に付き合っていくための“しめきり参考書”でもあります。
                                           (出版社HPより)

 『アメトーーク』読書芸人の回で、メイプル超合金カズレーザーさんが本屋さんで手に取っていた一冊。妙に気になったので図書館で予約を入れたら、どうやら同じ考えの方が多数いたようです。回って来るのにこんなに時間が…(笑)。しかもたくさんの予約者さんたちがまだ待ってるし。

 〆切に対する日記や書簡まで載っていることにびっくり。ただ、書簡に関しては、宛名の人物の脚注も載せて欲しかった; 高浜虚子くらいになるとさすがに分かりますが、「誰、これ??」って人も多くてですね、そこらへんは教養だろう、ってことかもしれませんけど;; いや、負け惜しみを言わせて頂くなら、大体察しはつくんですけどね。
 〆切を守らない、守れないことに対するものばかりかと思いきや、案外きっちり仕上げるという作家さんも沢山いらっしゃいました。所がそういう作家さんにも「編集者が傑作だと思ってくれない」みたいなジレンマがあるようで(苦笑;)。森博嗣さんの、作家に対する価値観の不合理さの意見には、もう至極ごもっとも、というより他ありませんでしたよ。
 印象的だったのは、小山清の、後々奥様になる方への葉書でした。まぁ、何てチャーミングな内容! 確か『ビブリア古書堂~』で紹介されていた作家さんでしたよね、何か一気に興味が湧きました。
 期限を守らない、ってのは確かに社会人としてはどうよ、ってことだよなぁ、と指摘されるまで気付かなかった自分にもはッ!としつつ。確かに特殊な世界ですね(苦笑;)。