読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

大河ドラマ『真田丸~最終話』見ました。

 …そうか、歴史変わらなかったか。
 あと少しだったのになぁ。

 私は歴女でも何でもないので定説がどうとかよく分からないんですが、でもとにかく人物像が新鮮だった気がします。
 秀吉と秀次の確執は、「本当にこんな真相だったのかも」と思ったし、茶々の諦観からくる天真爛漫さには驚いたし、人付き合いの不器用な石田三成には「もうちょっと上手く立ち回れないか?」とこっそりやきもきしたし。

 真田信繁大坂城に入ってからは、「一年間見たご褒美」的な展開も多くて感無量でした。
 息子大助は信繁と同じように旗を持って舞うし、出雲阿国の二代目は出て来るし、伊達政宗ずんだ餅で信繁の妻女をもてなすし。極めつけは「黙れ、小童!」返しでしょうけど(笑)。
 
 裏テーマ的なもので、「二代目」ということもあったそうで。
 そういえば始まり自体、武田勝頼からでしたものね。上杉景勝も二代目、秀次も二代目と言えば二代目、もちろん秀頼も。
 徳川家康の子 秀忠が真田丸の図面を机の上に放り出す場面は秀逸でしたね、「高さなんて絵図面で分かるわけねーじゃん」って心の声が聞こえてくるようで。なのに最終話では満面の笑顔で真田を討ちに来る、夏の陣で漸くお互いを認め合えたようで。

 きりは最後どうしたのかな、あの描かれ方では大坂城に戻る余裕はなかった気がするけど。
 結局信繁の信頼を得たのは彼女だったよな。きりが寧だったり秀頼だったり細川ガラシャだったり茶々だったりに仕えることで、そちら側の様子も描かれた訳で、本当、見事な配置だったなぁ。

 ラスト、いい加減盛り上がってからでもきりが高速で佐助を振ったり、毛利勝永が徳川からお声のかかった信繁や後藤又兵衛を羨んだり、家康や秀忠が伊賀越えを彷彿とさせるような逃亡をしたり、最後の最後で佐助の年齢を知った信繁に微妙な間を持たせたり、やっぱりちょっと笑いを入れるのね(笑)。
 それこそ豊臣側の武将のその後を、ナレーションですら描かない所も三谷幸喜さんらしい。あくまで信繁の視点から、ということなんでしょう。
 
 いや、一年間、本当に楽しませて貰えました。ありがとうございました。


追記
 あれだけ「諦めずに生き延びろ」と語っていた信繁が最後切腹するのが、実はこっそり不可解でした。でも、その後、堺雅人さんのインタビュー記事を読んで納得しました。
 「徳川に捕まるわけにはいかなかった」。…なるほど!!
 徳川方に、真田の死を確認させてしまってはいけない、安心させてはいけない。真田に割いていた兵力を豊臣に集中させてしまうから。でも次に襲われたら自分にはもう逃げ切る体力はない、だから佐助に介錯させて自分の死を曖昧にする必要がある。
 …凄い、凄い!! 
 すとん、と腑に落ちました。家康、死ぬまで安心して眠れなかったろうなぁ(笑)。