読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

政と源 三浦しをん著 集英社 2013年

 東京都墨田区Y町。つまみ簪職人・堀源二郎と元銀行員の有田国政は、ふたり合わせて146歳の幼なじみ。
 源二郎の弟子である徹平(元ヤン)の様子がおかしい。どうやら、昔の不良仲間に強請られたためらしい。それを知った源二郎は、幼なじみの国政とともにひと肌脱ぐことにするが――。
 弟子の徹平と賑やかに暮らす源。妻子と別居しひとり寂しく暮らす国政。ソリが合わないはずなのに、なぜか良いコンビ。そんなふたりが巻き起こす、ハチャメチャで痛快だけど、どこか心温まる人情譚!
                                          (内容紹介文より)

 何だこの妙にジジイがかっこいい挿絵は、下手すると若い男女二人より愛がこもってるんですけど、しかも最終ページには今までのエピソードが走馬灯のように描かれて…ってんで思わず初出一覧を確認。
 …掲載雑誌コバルトぉぉぉ???
 時代は変わったなぁ、コバルト連載作品で主役がリタイアしたじじいとは!!
 三浦さん、コバルト連載なのに手を抜いてない!(←何気に失礼;)
 面白かったです。奇抜で大雑把な外見にも関わらず戦争体験や愛妻の死など、幾多の試練を乗り越えて来た源二郎、順調な人生を歩んできた分、どうも引け目を感じてしまう国政。つまみ簪というのはちょっと前にフェリシモのCMで見て、何と可愛らしい、と感じ入ったばかりだったこともあったので、読書タイミングとしては丁度よかったかも。鉄平デザインのイヤリングやらペンダントトップやら、私も欲しいぞ。
 国政は今までの自分の行いを反省して、別居中の妻の清子に手紙を送ったりする可愛らしさも持ち合わせています。清子さんはちょっとほだされたりもしてるんですが、…でもね、実際、こんなことされても許せないって奥さんの方が多いんじゃないかな、ともちらっと思いつつ。いや、これは私情でした。