読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

モロー博士の島 H・G・ウェルズ著/中村融訳 創元SF文庫 1996年

 英国での出版は1896年。

 海難事故に遭いながら、奇しくも貨物船に拾われ一命をとりとめたエドワード。彼を乗せた船は種々の動物を積み、とある絶海の孤島にむかう途中だった。やがて辿り着いた先は、奇妙な住人たちの住む地。しかもこの島の主とは誰あろう、十年前に消息を絶った高名な医学者、モロー博士だった! 
 博士は人知れず、新しい生き物を創造していた。即ち、動物を人間の姿に変えること。改造された獣人たちがモロー博士を上位の者として恐れることで、島には奇妙な秩序が保たれていた。だが、モロー博士が死んだ日から、日常が狂い始める。獣人たちは急速に獣に戻っていった。博士の助手でもあったモンゴメリーは酒に溺れ、獣人たちに親しみを覚えていた様子だったにもかかわらず殺された。残されたエドワードはこの島を脱出する方法を探る。…                       
                                  (前半、裏表紙の紹介文を写しました)


 H・G・ウェルズの『透明人間』や『宇宙戦争』は読んでいましたが、これは未読だったなぁ、と借りてみました。
 モロー博士の影が結構薄いんで驚いた。…いや、あくまで私の印象ですが、結構すぐにリタイアするんですね。で、いや、責任取ろうよ、手術には麻酔使おうよ、とちょっと言いたくなる展開。必要物資は燃えてなくなり、獣人は野生に戻り、追い詰められていく主人公、でも物語は主人公が助けられる所から始まるので、どうやって逃げ出したんだろう??と思ってたら、小舟が島に漂流してきました。…当時はこれで大丈夫だったんだね。
 後世に与えた影響は大きかったんだろうなぁ、というのはしみじみ分かりました。いまだに映画化されたりするんですもんね、凄いわ。