読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

珈琲店タレーランの事件簿2 彼女はカフェオレの夢を見る 岡崎琢磨著 宝島社 2013年

 シリーズ2冊目。
 ネタばれになってるかも、すみません;

 京都の街にひっそりと佇む珈琲店タレーラン”に、頭脳明晰な女性バリスタ・切間美星の妹、美空が夏季休暇を利用してやってきた。外見も性格も正反対の美星と美空は、常連客のアオヤマとともに、タレーランに持ち込まれる“日常の謎”を解決していく。人に会いに来たと言っていた美空だったが、様子がおかしい、と美星が言い出して…。
 姉妹の幼い頃の秘密が、大事件を引き起こす。                (裏表紙紹介文より)

第一章 拝啓 未来様
 美星の親友・水山晶子の姉に、元婚約者から手紙が届いた。元婚約者は姉の現在の住所を知らない筈、しかもその手紙は消印の日付から一か月も経って届いたと言う。どういう経緯でそうなったのか、未星は晶子の隠していた事実まで見抜いてみせる。

第二章 狐の化かんす
 美星の妹・美空が東京から観光に来た。伏見稲荷を案内した帰り、美空のスマホに写り込んでいた少年と同じ少年を、美星とアオヤマは駅前で見かける。一人で観光していた美空と、別れて行動していた二人。どう考えても、その少年が二か所にいたことは不可能なのだが…。

第三章 乳白色のハートを壊す
 純喫茶タレーランのオーナー藻川氏が、女子高生を連れて来た。高校の調理部に見返したい相手がいる、ついては美星にラテアートを教えて欲しい、というもの。だが発表会当日、彼女の作ったラテアートは無残に壊されてしまった。犯人は誰なのか。当日録画されていた映像を見て、美星が答えを導き出す。

第四章 珈琲探偵レイラの事件簿
 美空の持ち物の中に、20年以上前に出版された単行本『珈琲探偵レイラの事件簿』が入っているのを見て、美星は首を傾げる。かつて盗作騒動を起こし、この著作で姿を消してしまった作者の本を、なぜ美空は持っているのか。折しも、タレーランをとあるライターが取材に来た。

第五章 (She Wanted To Be)WANTED
 美空のサークル仲間・満田凛が音信不通になった。神戸の親とは絶縁状態、元彼と共にアパートの部屋に入ってみると、ガイドブックの「東尋坊」にドッグイヤーが折ってある。慌てて後を追う美空。「自殺するつもりはなかった」と語る凛の本意とは。

第六章 the Sky Occluded in the Sun
 美空が何者かに誘拐された。おそらく犯人の目を逃れて美星が送ってきたメールの<☀>は何を意味しているのか。美星とアオヤマ、藻川は夜の京都を車でひた走る。

第七章 星空の下で命を繋ぐ
 美空の待ち人は「父親」だった。身代金を抱えたまま、犯人の指示通り車を運転する三人。美空の無事を祈って、美星は現金の入ったバッグを窓の外に投げる。…


 久々に読んだので登場人物の細かい機微を覚えていないのですが。…美星さんって、こんなにアオヤマさんへの好意があからさまだったっけ?? むしろアオヤマさんの方が、美星を好きだったような覚えがあるんですが…。
 連作短編の一つ一つのエピソードが後で繋がって来る作りは相変わらず、でもそれぞれは「ちょっと無理がないかい?」と思うような真相もありつつ。
 今回、珈琲の蘊蓄があまりなかったことが少々残念でした。ネタ切れになったかな、とちょっと意地悪なことも考えてみたり。いや、するすると読めて面白かったんですけどね。