読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

空をとぶ小人たち メアリー・ノートン作/林容吉訳 岩波少年文庫 1977年

 小人シリーズ4冊目。
 イギリスでの出版は1961年。

 鉄道員だったポットさんは、事故で片足を失ってから、自分の楽しみとして庭に小さな町を作り始めました。模型の汽車を手に入れたことから始まって、それを走らせるための線路、信号所、停車場。ミス・メンチスという協力者も現れました。だんだん人の噂になって、見物人も集まります。すると、川向うのプラターさんも、似たような町を自分の土地に作り出しました。
 ポットさんが教会を作れば大寺院を、民家ができれば長屋を、雑貨屋が現れれば商店街を。観光客を集めて売り上げを伸ばすためです。ポットさんの小さな町を常々観察していたプラターさんは、やがて、そこに小さな小人が住み着いていることに気が付いてしまいます。
 あればっかりはお金の力では手に入らない。プラターさんは奥さんと、小人たちを捕まえて自分の家の屋根裏部屋に閉じ込めてしまいます。小人たちを見世物にするための、ガラス張りの家ができるのは春。小人たちはそれまでに逃げ出さなければなりません。小人たちことアリエッティ一家は、屋根裏にあった古い雑誌に載っていた気球の記事をヒントに、気球を作ります。ゴム風船にガス・ストーブのガスを詰めて。…
 

 う~ん、さすがイギリス児童書、細部を愛して話が進まない(笑)。でもやっぱり楽しいですね、リカちゃん人形の為に、マッチ箱を積み上げて箪笥を作った昔を思い出す感じ。
 せっかくリトルフォーダムに戻ったアリエッティたち、でも自分たちが住んでいた家が便利に改造されているのを見て、ここも出て行く決意をします。人間に見つかったらそこにはいられない、ミス・メンチスと既に顔見知りになっていて共存を望むアリエッティを、お父さんのポッドは諭します。これが小人たちの矜持な訳ですね。そしてやっぱり、お母さんのホミリーは色々鬱陶しかったのですよ(苦笑:)。