読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

エンゼルの丘 手塚治虫著 講談社手塚治虫文庫全集 2011年

 初出は1960年。

 故郷を追放された人魚族の姫・ルーナの数奇な運命を描いた、ファンタジーです。
エンゼル島の掟を破ったために、貝がらに入れられて海に流されたルーナは、人間の船に拾われ、奴隷として売られました。
 記憶を失い、ひどい仕打ちを受けていたルーナは、草原家の御曹子・英二に救われ、日本へとやってきます。
 そこで出会った英二の妹のあけみは、偶然にもルーナにそっくりだったのです。
 ひねくれた性格のあけみは、ほんの気まぐれでルーナと入れ替わったために、間違われて英二と共に、エンゼル島へ連れ去られてしまいました。
 あけみは女祈祷師のピョーマによって、女神の祭壇の生けにえにされそうになり、一方、英二はルーナの姉・ソレイユに会い、ふたりとも、エンゼル島の秘密に深く関わっていくことになるのでした。     (出版社HPより)


 小学生か中学生の頃、一度読んだことがある作品。強烈に覚えていたのはオスの人魚の容姿でしたけど(笑)。
 女の子のふくらんだスカートのラインが何とも可愛らしい。いかにも暖かそうなオーバーコート、全体的に丸くて上品。ルーナとあけみがそっくり、と言いながらも読者には判るように、前髪の様子をさらりと描き分ける。これ、『リボンの騎士』の続編『双子の騎士』でもそうでしたね。色が違うだけの双子の女の子の殺し屋とか、いかにも手塚治虫だ、と嬉しくなりました。
 そうそう、私一時期、ショートカットの女の子描いたら真珠を連ねたような髪飾りを着けてたっけ、随分影響されてなぁ。
 こういういかにも漫画、という話は今でもあるんだろうか。小さい(?)頃に読めて、私は幸せだったかも。