読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

すえずえ 畠中恵著 新潮社 2014年

 『しゃばけ』シリーズ第12弾。

栄吉の来年
 栄吉にお見合い話が持ち上がったとか。しかも色々不穏な噂が飛び交っている。何が真実なのか若旦那も気になって栄吉を訪ねてみると、見合い相手のために金の都合までしている様子。騒動に巻き込まれ、若旦那一行はちんぴらに絡まれてしまう。

寛朝の明日
 広徳寺の高僧・寛朝の元に、天狗の黒羽坊が訪ねてきた。小田原で僧が二人食い殺されたという噂がたっている、実力のしっかりしている僧に調べてきてほしい、とのこと。若旦那への中継として獏の場久と、知り合いのいる猫又のおしろを連れて出立する寛朝だが、問題の場所に近づいてもそんな話は聞こえて来ない。

おたえの、とこしえ
 上方に出かけた藤兵衛が帰ってこない。しかも、赤酢屋と名乗る男が、依頼した荷物を運べなかった代償として長崎屋を明け渡せ、と言ってきた。藤兵衛を探しに上方へ赴く若旦那。その旅にはいままで所縁の神様まで関わって来て…。

仁吉と佐助の千年
 上方での大活躍が噂になって、若旦那の評判が上がった。それに伴って山のように持ち込まれた見合い話、仁吉と佐助は丁度それぞれ留守にしていて歯止めが効かない。若旦那の都合も考えない無遠慮な仲人連中やお見合い相手に、遊びに来ていた於りんが激怒する。

妖達の来月
 上方の相場で手に入れた金子を元に、若旦那は長崎屋の裏手に二階家を建てた。そこに住むことになった妖達は大はしゃぎ。しかしその矢先、差し入れの火鉢や湯呑等々が無くなってしまった。聞くと、そういう事件がこの頃よく起きてはいるらしい。犯人をとっ捕まえてやる、と息巻く妖達の傍で、若旦那な首をひねる。…


 若旦那、とうとう嫁取りですよ。当分先にはなりそうですが、でも栄吉もお相手決まりましたね。
 それにしても若旦那、気前がいいなぁ。家一軒ほいっと建てて、調度品も揃えられるよう資金を出して、もちろんお菓子も山盛りで、何だか庶民からしたら恨まれそうな使いっぷり。…と思ってたら、お仲間の妖からも妬まれてしまいましたね。金離れがいいのは、お母さんからのDNAだったことが今回判明しましたし(笑)。
 仁吉と佐助、どちらもとことんまで若旦那につき従うことを決めたようです。一瞬の間、とか言いながら、このシリーズも長いよなぁ。