『みをつくし料理帖』シリーズ9冊目。
神帰月――味わい焼き蒲鉾
霜月、一柳へ嫁ぐ芳の代わりに、お臼と名乗る大女が雇われる。澪は常連客のご隠居の蒲鉾が大好物、という話から、自分で蒲鉾を作り始めたが、なかなかうまく行かない。源斉の助言も得て漸く作り上げた焼き蒲鉾は、料理番付を待たずして客に振舞われた。
美雪晴れ――立春大吉もち
師走、お芳と暮らすのもあと少し。澪は柳吾から、一柳の板場に入らないか、と誘われる。自分が作りたい料理に迷う澪。料理番付に三日しか供されなかった「面影膳」が選ばれたことにも疑問を感じる。そんな折、訪ねてきた摂津屋助五郎は、自分の手であさひ大夫の生い立ちを突き止めていた。その上で澪に、又次の最後の言葉の真意を再度尋ねる。
華燭――宝尽くし
芳の婚礼のための料理を考える澪。前日、仕込みをする澪の傍に佐兵衛が来て、自ら大根で鶴を細工する。その姿を見て、柳吾は佐兵衛がいずれまた料理人に戻るだろうことを確信する。つる屋には澪の代わりの料理人が来た。お臼の亭主である彼は、以前澪の婚礼破棄によってつる屋への就職がふいになった政吉だった。
ひと筋の道――昔ながら
吉原の再開が思ったより早まりそうだと聞いて、澪は焦る。鼈甲珠で何とか野江の身請け金を、と花見客で賑わう吉原で棒売りを試みる澪だが、吉原の規は甘くない。摂津屋の口添えで再建中の扇屋で商った鼈甲珠は、一ヶ月で二十五両を売り上げた。 茶屋で小野寺数馬は相模屋紋次郎と偶然出会い、つる屋のつくった琥珀寒を味わう掌編『富士日和』も収録。
見事な風呂敷の畳み方だなぁ。全てに解決が付き始めてる。一生懸命、誠実に生きている人がちゃんと報われる展開はやっぱり読んでて気持ちいい。
蒲鉾を美味しく作るには温かくてはいけない、ということは、この時代、冬 雪が積もってる間しか作れないということですよね。旬、というのは新鮮な野菜や魚といったもの以外にもあるんだなぁ。
「坂村堂さんと懇意の物之本屋『海文堂』が廃業した」ってのは、多分、神戸元町にあった老舗の本屋さんが閉店したことがモデルなんでしょうね。阪神間では今年、ちょっと話題になりました。私自身はあまり利用したことはないんですが(何となく敷居が高かった;)、神戸の私立校で教科書や副読本を誂える、となるとここの本屋御用達のことが多かったとか。これ、従業員さんとか嬉しかっただろうなぁ。
澪の傍らには源斉先生が立つようです。うん、一番の澪の理解者は源斉先生だと、私最初から思ってたよ。次が最終巻です。ハッピーエンドでありますように。
蒲鉾を美味しく作るには温かくてはいけない、ということは、この時代、冬 雪が積もってる間しか作れないということですよね。旬、というのは新鮮な野菜や魚といったもの以外にもあるんだなぁ。
「坂村堂さんと懇意の物之本屋『海文堂』が廃業した」ってのは、多分、神戸元町にあった老舗の本屋さんが閉店したことがモデルなんでしょうね。阪神間では今年、ちょっと話題になりました。私自身はあまり利用したことはないんですが(何となく敷居が高かった;)、神戸の私立校で教科書や副読本を誂える、となるとここの本屋御用達のことが多かったとか。これ、従業員さんとか嬉しかっただろうなぁ。
澪の傍らには源斉先生が立つようです。うん、一番の澪の理解者は源斉先生だと、私最初から思ってたよ。次が最終巻です。ハッピーエンドでありますように。