読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

麒麟の翼 東野圭吾著 講談社 2011年

 加賀刑事シリーズ。
 ネタばれになってる気がします、すみません;

 日本橋装飾柱、麒麟の像の下で、胸をナイフで刺された男が発見された。近くの地下通路で刺された後、自力でこの柱の下まで来て息絶えたらしい。
 男の名前は青柳武明、建築部品メーカー『カネセキ金属』の製造本部長。すぐに容疑者と目される男も見つかった。八島冬樹、つい最近まで『カネセキ金属』の工場に派遣社員として勤務していたらしい。逃亡途中で車に撥ねられ、意識不明のまま死亡してしまった。
 冬樹は犯人ではない、と信じる恋人の中原香織。貧しい中、寄り添うように生きてきた香織には、冬樹が殺人を犯すような人間ではないと言う確信があった。しかし『カネセキ金属』工場での労災隠しが発覚、冬樹の契約打ち切りや実質責任者が青柳であったことなど、状況証拠は次々に揃って行く。
 だが、加賀は疑問を抱く。そもそも、被害者は何故自宅からも職場からも離れた犯行場所にいたのか。妻も息子や娘も心当たりはない、と言う。聞き込みに回る加賀に、新たな目撃条件が入る。被害者が水天宮を廻っていたこと、中途半端な色から始められた千羽鶴、ある日を境に軟化した息子の態度。そしてとうとう、冬樹のアリバイも証明された。
 加賀は真実に辿り着く。…


 なるほど、そういえば犯人はちゃんと最初の方から出て来てたよなぁ、と感心しきり。
 加賀刑事の、関係者に寄り添った捜査にはほっとします。被害者であろうと、容疑者であろうと、加害者であろうと。でもまぁ、今回の事件に関する限り、ずっと眠り続けの「キリンノツバサ」君の両親なり何なりが、彼らを許してくれるかどうかはかなり疑問だなぁ、とは思ったのですが。
 で、加賀刑事、七回忌はどうするんでしょう。