読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

たぶんねこ 畠中恵著 新潮社 2013年

 『しゃばけ』シリーズ第12弾。

跡取り三人
 大勢の商人が集まった新年会で、若だんな他二名の若者がお店の跡取りのお披露目をした。その場にいた岡っ引き・大貞の提案で、大貞の家に三人とも住み込んで、自分の才覚でお金を稼ぐことに。寄席でお菓子を売ってささやかながら幸せを噛みしめる若だんな。だが、大貞にはどうやら裏の考えがあるようだ。

こいさがし
 若だんなのいる長崎屋に、行儀見習いに来た娘・於こん。何をやらせても不器用な上、本人に反省の色もない。家事を一切しなくていいような大金持ちと結婚すればいいと言い放ち、やがて若だんなの元に舞い込んできた河童のお見合いの話にまで首を突っ込んで来た。

くたびれ砂糖
 菓子屋・安野屋に奉公している栄吉に、弟弟子が三人できた。ただこの三人、どれもそれぞれ問題児で、その生意気さに手を焼かされているらしい。若だんなたちは、安野屋の店主たちが先日から体調を崩したままだという話を聞いて、不審に思う。

みどりのたま
 記憶を失くしてしまった男が一人、懐には何だかとてもよく効く薬を持っているらしい。話を聞き付けやって来た古松爺さんは、彼を「白沢」と呼び、自分は妖孤であり、もう長くない寿命を悟って、荼枳尼天のおわす神の庭に連れて帰ってほしいと頼んでくる。でも何か、白沢には心残りがあるようだ。そのうち、白沢の薬を狙って暴漢たちが襲ってくる。

たぶんねこ
 見越の入道が神の庭から月丸と言う名の幽霊を連れ帰って来た。現世に名残のある様子、だがそれが何なのか、本人にもわかっていない。ひょんなことから若だんなは、月丸と二人で夜の江戸を彷徨うことに。様々な職を転々とした月丸の生い立ちを聞いているうちに、押込み強盗にも出くわしてしまい、若だんなは命からがら逃げ回る。…


 序章で語られる兄やたちとの約束を、順々に破っていく展開。でも、大体が巻き込まれた形だし、今回ポカをした妖は仁吉なんですけどね(笑)。
 於こんにしろ菓子屋の弟弟子たちにしろ、生意気な態度にはちょっとむっかり。江戸時代には貴重だった筈の砂糖を粗末にするんじゃないよ、掃除も大変じゃん。
 月丸という新キャラクターも登場、彼はこの先レギュラーになるんでしょうか。
 若だんなの身体はやっぱりひ弱なままでした。…それにしても仁吉、若だんなではなくおぎんで記憶を取り戻すのね~。