読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

ときぐすり 畠中恵著 文藝春秋 2013年

 『まんまこと』シリーズ第四弾。

朝を覚えず
 甘夢仁湯なる眠り薬が安価で出回っているらしい。同じ薬名なのに効能はまちまち、それどころか死人まででているらしい。話を聞いた麻之助は、自身その薬を飲んでみる。妻のお寿ずが亡くなって以来、眠れぬ夜が続いていたから。

たからづくし
 麻之助の悪友・清十郎が、縁談を迫られて逃げ出した。後に残されたのは謎の書き付け、意味の分からない文章が羅列されている。この意味を解けば、友人の窮地を救えるのだろうか。

きんこんかん
 型物の吉五郎に、醜聞が流れているらしい。婿養子の吉五郎が、そんな浮ついたことを掏る筈がない。だが現に、団子屋のおきん、汁粉屋のお紺、煎餅屋のお寛が先を争って吉五郎に声をかけて来る。三人娘の目的は何か。

すこたん
 瀬戸物問屋小西屋と茶問屋増田屋の仲が悪い。こじれた結果、嶋田屋の娘・緒すなをどちらの息子が嫁に貰うかで揉めている。所が二家の息子は、持参金ばかり高くてわがままな緒すなを、嫁に貰いたくはない。麻之助は一計を案じ、渦中の三人と、火事以来資金繰りに困っている鼈甲櫛笄の辰巳屋の倅を、自宅に招くことにする。

ともすぎ
 吉五郎に不穏な行動が目立つ、と高利貸しの丸三が麻之助にご注進に来た。ろくろく仕事もせず、どこかに行方をくらませているのだとか。こっそり後をつけてみて事情はわかったものの、面々は御武家様たちの賄賂容疑に巻き込まれることに。どこから金を借りての贈賄なのか突き止めて欲しいとの依頼に、麻之助は一芝居うつ。

ときぐすり
 滝助と名乗る少年が、仕事が欲しいとやって来た。では口入屋を紹介しようと身の上を聞くと、どうやら盗賊の使いっ走りをしていたらしい。かつての若頭やその仲間が滝助を探しているとの風の噂、息子を亡くしたむめ婆さんや、かみさん子供を亡くした袋物職人の数吉にも馴染んできている滝助の様子を見ていると、何とかその縁を切ってやりたい。吉五郎たちと力を合わせ、麻之助が動く。…


 結構内容を忘れているこのシリーズ、それでもいくらなんでも前回ラストでお寿ずさんが死んでしまったことは覚えてました。喪失感の中、麻之助を力づけようとするおこ乃や友人たち。何だか本当に、おこ乃は麻之助といい雰囲気になるんでしょうか。ただこのシリーズ、思っている人とは結ばれない、的なルール(?)があるみたいなので、そうはいかないんだろうなぁ。お寿ずと似すぎているから無理、みたいなことを言われてもいましたし。
 ともあれ、「ときぐすり」(日にち薬という言葉は知っていますが)を経て、麻之助は何とか立ち直っているようです。夢ではお寿ずさんに会っているようですが。