読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

現代語裏辞典 筒井康孝著 文藝春秋 2010年

 現代語をエスプリと毒たっぷりに定義しなおす前代未聞の書、8年の執筆期間を経て完成。
 項目数12000。作家の唯一無二の発想がいかんなく記され、あらゆる常識を吹き飛ばす。
 もっとも笑いに満ち、もっとも危険で、もっとも豊かな辞典。
 著者にかかると、日本語はかくも面白い。
                                        (出版社紹介文より)

 本当は今年のお正月休み中に読もう、と借りて来た一冊。ところがあまりの分厚さになかなか読み切れず;; 新刊ラッシュに入ったこともあって、何度も延長・借り直しを繰り返し、「このままでは駄目だ」と決意を新たにすること数回。(…そう、数回;) 漸く読み切れました;
 いやぁ、これは借りる本ではなかったなぁ。手元に置いておいて、「そういえばこの言葉について、御大は何て書いてらっしゃったかしら」とその都度確認するような一冊でしたね。
 駄洒落、本歌取りや妙に納得する説明からどこまで本当なんだ、という蘊蓄まで。

大鳴門橋】建設中、本州側と四国側に縦数十センチのズレができ、地球が丸いことを考えていなかったことが判明した。(本当に?)
【古典】「読まなければ」と死ぬまで思い続けるもの。(あ、誰でもそう思うものなのね)
【運】見放されたのではなく、失敗したのである。(確かに)
【師匠】「私を超えろ」と言いつつ邪魔をする人。
【ショート・ショート】思い出すのも腹が立つほど便利屋扱いされ、こき使われた一時期の産物。(そうなんですか)
【スタンス】私のスタンスは変わりません。向きは変わったけど。(なるほど)
【選評】選考会で吐いた悪口雑言は書かない。(…そうなのか)
【打楽器】「音楽家の皆さんはこちらへ。打楽器の皆さんはこちらへ」(実話・この項、山下洋輔氏)(…そんな失礼なことが…)
【宝塚】トップしか芸能界に残れない劇団。(…いや、この頃はトップさんでも難しそうだけど…)
【地域】「えっ。『一部の地域』ってここのことか」(ああ、あるある・笑)
走れメロス】教科書に載せるために太宰治が書いたライトノベル。(何か妙に納得しました)
【人目】実は自分の目(確かに)
【復員】ゴムの仮面を被って家に戻ること。(おやぁ?・笑)
【マチネー】満席だ。夜の部まで待ちねえ。(…何度も意味がごっちゃになるんですけど、これで覚えられそう・笑)
【漫画】描けない者は小説家になる。
【密室】未発表のトリックふたつあり。委細面談。(こんな所で御大が売り込み?・笑)
ハインライン】若い頃は社会主義者だったなんて信じられない。(本当に??)
【美男子】せめて馬鹿であってほしいと他の男たちは思っている。(私は半ば本気でそう思ってます・苦笑;)
【災難】備えがあっても必ず別の思いがけないやつが降りかかる。(本当に)
 
 小口には著者の顔がぼ~っと浮かび上がる。…凝ってるなぁ。
 それにしても、下ネタ多かったです。