読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

原作屋稼業 お前はもう死んでいる? 武論尊著 講談社 2013年

 オレ、ヨシザワ。29歳、♂、独身、「やっぱり菅野美穂が好き」ってタイプ。
 某IT会社に勤めていたが、仕事も恋もうまくいかず、人生に絶望した瞬間、なぜかマンガ原作者・武論尊と出会って弟子入りを直訴。
 いったいオレは何をしたいの? 人生ってどうやって生きていけばいいの?
 奇人変人が跋扈するマンガ界で原作者として悪戦苦闘する姿を、武論尊本人だから語れるぶっちゃけシーンの連続で綴った遅すぎた青春ストーリー!
                                       (折り返しの紹介文より)
 

 何か、本編より「この作品を書くきっかけ」を書いた「ちょっと長いまえがき」の方が面白かったような…。というのは語弊があるな。私が興味のあったことが、まえがきに書かれていたんだよな。
 本編に関しては、するすると読めました。さすがK段社がメインだけあって、エピソードがまぁ男臭いと言うか何と言うか…。美貌の新人女性漫画家が、セウ学館に移って飛ばしたヒット作が『ゆるぱん』って、少女漫画でこれは無理だろう??とも思いましたし。
 とんとん拍子に行くような行かないような、プライドが必要なような邪魔なような、居心地がいいのか悪いのか不思議な世界。
 「漫画は最終的にマンガ家のもの」という言葉が妙に印象的でした。どちらがなくても成り立ちはしない筈なんですけど、両者がいがみ合ってるパターンもある、と聞いたことがあるので。
 当時のことを書こうとして小説になった、ということなんですが、やっぱりその時のエピソードをもっと聞きたかったかも。知らない人がいないようなヒット作を飛ばした原作者ですものね。