読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

ジャコバン派の独裁 小説フランス革命Ⅸ  佐藤賢一著  集英社  2012年

 外国との戦争、反革命の反乱、革命裁判所の設置。
 ダントンへの嫌疑とマラの逮捕。
 二大派閥、全面戦争へ。ロベスピエール暴走の萌芽。              (帯文より)

 国王ルイ十六世が処刑されたことにより、姻戚関係にある諸外国との関係が悪化、『対フランス大同盟』が形成され戦況はますますフランスに不利なものに。そんな中、唯一気を吐いていたデュムーリエ将軍は王政復古を掲げてクー・デタを計画、しかし叶わず、オーストリアに亡命する。議会とデュムーリエ将軍の間をとりなしていたダントンの立場は悪化し、彼にも嫌疑がかけられた。ジロンド派議員に糾弾されたダントンは反論でもって叩きのめし、ジロンド派は怒りの矛先をマラに向ける。だが、民衆を見方につけたマラを結局裁くことができず、もっと小物の、ただもっと民衆に近いエベールを逮捕。民衆の怒りはますます議会にむけられ、ジャコバン派ロベスピエールの演説を後押しに、とうとう三度目の蜂起に踏み出す。
 王政への不満ではなく、議会への不満の爆発。ダントンはロベスピエールに、今ジロンド派を追い出すことはジャコバン派の独裁に繋がる、引いてくれ、と忠告。自分でも行き過ぎになっている、という自覚がありながら、ロベスピエールは頷くことができなかった。…

 ロラン夫人の議会移転建策は退けられました。パリと地方との温度差も上がっているようです。一向によくならない景気に、民衆は暴力に訴えることに味をしめ、ブルジョアを中心とするジロンド派議員はそれに怯える有り様。何とか舵取りしようとする政策はいよいよ恐怖政治への土台を固めて行きます。
 デムーランの口利きで革命裁判所の訴追検事に就いたフーキエ・ダンベルは、これからどういう役割を担っていくのか。ヴェルニョーという論客も出て来ました、柔軟な演説でロベスピエールのコンプレックスを刺激する相手のようです。
 …あと三巻でどこまで描くのかな。連載作品とは言え、これだけコンスタントに出る、って凄いなぁ。 次巻に続きます。