読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

えびす聖子(みこ) 高橋克彦著 幻冬舎文庫 2005年

 初出は2001年。
 出雲神話を大胆に解釈した高橋版『古事記』。
 ネタばれになってるかな、すみません;

 里に「鬼」が現れた。噂を聞き、鬼退治に向かった少年シコオ。その道中、宙に浮かぶ「船」に出会い、「因幡の国を目指せ」とのお告げを聞く。
 シコオは母の後押しを受けて因幡の国へ向かう。途中、山中で一人で生きてきたという青年・タカヒコや男のなりをして因幡を目指していたタカヒメと出会い、仲間となって数々の試練に立ち向かう。
 鬼の精神攻撃をくぐりぬけ、人としての優しさを示したシコオは見事に因幡の国の王に認められる。だが試練はそこでは終わらなかった。すべての国をおさめる王になるために課せられたのは赤く光る大猪退治、紀伊の国で剣を授かった後、黄泉の島への旅。途中には同じく「鬼」のお告げを受けた男達が、今度は敵になって現れた。
 一人で火口の中から黄泉の国に向かい、シコオはとうとう「鬼」に会う。果たして鬼の正体とは。…


 高橋さんの作品を読むのは本当に久しぶりです。『写楽殺人事件』から始まって『総門谷』『総門谷R』『竜の柩』『新・竜の柩』等々伝奇小説の類を一時期読みまくって、で、…文章に飽きてしまいまして;; これ、私の悪い癖だよなぁ。作家さんに何の罪もないのに。でも、いわゆる伝奇小説の面白さを私に教えてくれたのは、間違いなく高橋さんです。
 予約本が途切れたのを切っ掛けに手に取ったのですが、…やっぱり面白かった(笑)。
 UFOに宇宙人、そうそう、高橋さんはこれが出て来なくちゃね。結果宇宙人同士の代理戦争の担い手としてシコオは選ばれた面もあるようで、これ、続き書く気満々のような…。
 『新・竜の柩』のさらに続編が出ていることも、初めて知りました。いやぁ、また高橋さん、読んでみようかな。手を出すならそれより先に『火怨』だろう、って気はしないでもないですが。