シリーズ第二弾、連作短編集。
序章 プレエントリー
中学生の弟・拓を養うため、元大物政治家・大堂剛の事務所『アキラ』で事務員として働く佐倉聖は大学三年生。大堂のコネを使わずに、就職活動に励む日々を送っている。
そんな聖の元に、エントリーした覚えのない五社からコネ入社のご案内通知が届いた。大堂は二日以内に、聖のやりたいことを決めろと言う。
中学生の弟・拓を養うため、元大物政治家・大堂剛の事務所『アキラ』で事務員として働く佐倉聖は大学三年生。大堂のコネを使わずに、就職活動に励む日々を送っている。
そんな聖の元に、エントリーした覚えのない五社からコネ入社のご案内通知が届いた。大堂は二日以内に、聖のやりたいことを決めろと言う。
エントリーの一 ナイショ ナイショ
正社員での就職に繋がる広告代理店・D社のアルバイト面接中。
落雷による停電で、いわゆる資料室の扉が開かなくなってしまった。閉じ込められている社員は一人、コンペの時間までに中の資料を揃えなければならない。聖は機転を働かせて、その扉を開ける。
正社員での就職に繋がる広告代理店・D社のアルバイト面接中。
落雷による停電で、いわゆる資料室の扉が開かなくなってしまった。閉じ込められている社員は一人、コンペの時間までに中の資料を揃えなければならない。聖は機転を働かせて、その扉を開ける。
エントリーの二 羊羹こわい
大堂の門下生にあたる衆議院議員・加納の周りで、ストーカー事件が起きたと言う。それと関係しているのかいないのか、秘書も次々と辞めて行き、仕事にならないのだとか。怪しいのは次に出馬を考えていると言う噂のある地元企業の経営者、だが聖にはそればかりとは思えない。秘書達に提示された中途半端な就職先も合わせ、聖は真相を見抜く。
大堂の門下生にあたる衆議院議員・加納の周りで、ストーカー事件が起きたと言う。それと関係しているのかいないのか、秘書も次々と辞めて行き、仕事にならないのだとか。怪しいのは次に出馬を考えていると言う噂のある地元企業の経営者、だが聖にはそればかりとは思えない。秘書達に提示された中途半端な就職先も合わせ、聖は真相を見抜く。
エントリーの三 聖、シューカツ中
A商社のインターンシップを、聖は二カ月で首になった。理由に心当たりのない聖は、加納に理由を探ってくれるよう頼む。代わりに引き受けたのが選挙事務所四か所の応援巡り。片づけを手伝うため回るうち、聖は加納の裏の目論見に気付く。
A商社のインターンシップを、聖は二カ月で首になった。理由に心当たりのない聖は、加納に理由を探ってくれるよう頼む。代わりに引き受けたのが選挙事務所四か所の応援巡り。片づけを手伝うため回るうち、聖は加納の裏の目論見に気付く。
エントリーの四 神、降臨
先の選挙で、ウェブ上に神が降りたと噂が立った。数多の議員の当落を予言した人物がいると言う。大堂に、引いては聖に近付いて来た選挙のプロ佐々木は、それが誰か突き止めるのが目的らしい。大堂の妻の姪っ子・真木や都議会議員・小原にもつきまとっていると言う。
先の選挙で、ウェブ上に神が降りたと噂が立った。数多の議員の当落を予言した人物がいると言う。大堂に、引いては聖に近付いて来た選挙のプロ佐々木は、それが誰か突き止めるのが目的らしい。大堂の妻の姪っ子・真木や都議会議員・小原にもつきまとっていると言う。
エントリーの五 電信柱は友か
聖の代わりとして、新人の事務員・森之下がやってきた。なかなか有能だが、何故か加納、小原、真木の失態を掴んでいる。聖を含めた四人を敵に回し、聖達は森之下の正体を探りにかかる。
聖の代わりとして、新人の事務員・森之下がやってきた。なかなか有能だが、何故か加納、小原、真木の失態を掴んでいる。聖を含めた四人を敵に回し、聖達は森之下の正体を探りにかかる。
終章 さくら咲く
何故受けてもいない五社から内定通知が届いたのか、聖が本当にやりたい仕事とは。答えを出せない聖に、大堂達は自分達が聖の就職先を決めてやると言う。…
何故受けてもいない五社から内定通知が届いたのか、聖が本当にやりたい仕事とは。答えを出せない聖に、大堂達は自分達が聖の就職先を決めてやると言う。…
そういえばこのシリーズは、元々あまり好きではなかったんだったっけ、と読み始めてすぐ余計なことを思い出してしまいまして。そして、やはり今回も、あまり好きにはなれなかったのでしたよ。
畠中さんの作品にミステリー要素は求めてはいないのですが、それでも今回これはこじつけだろう、と思うことも多々ありまして。で、これは前回も思ったのですが、主人公の大学生に、周りの大人がよってたかって何をしているんだよ、とどうしても眉を顰めてしまう。今の就職難を考えると、聖の動機だって十分なんじゃないかなぁ、「やりたいこと」を仕事にしている人の方が珍しいんじゃないかなぁ。ちゃんと応援してやれよ、アドバイスするなら試すような形ではなく、真摯に向き合ってやれよ、と考えてしまったもので。
でもこの終わり方は、明らかにシリーズ化を意図してるよなぁ。
畠中さんの作品にミステリー要素は求めてはいないのですが、それでも今回これはこじつけだろう、と思うことも多々ありまして。で、これは前回も思ったのですが、主人公の大学生に、周りの大人がよってたかって何をしているんだよ、とどうしても眉を顰めてしまう。今の就職難を考えると、聖の動機だって十分なんじゃないかなぁ、「やりたいこと」を仕事にしている人の方が珍しいんじゃないかなぁ。ちゃんと応援してやれよ、アドバイスするなら試すような形ではなく、真摯に向き合ってやれよ、と考えてしまったもので。
でもこの終わり方は、明らかにシリーズ化を意図してるよなぁ。