読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

エデン 近藤史恵著 新潮社 2010年

 『サクリファイス』続編。
 ネタばれあります、すみません;

 あれから三年。白石誓はフランスの自転車ロードレースプロチームで、ツール・ド・フランスに挑戦する。チームのエースはミッコ・コルホネン、フィンランド出身。有名ではないながら優勝も狙えるチーム、しかしレース直前、選手たちはスポンサーの撤退を知らされた。今回のレースで活躍して移籍先を見つけなければならないが、モチベーションはなかなか上がらない。やがて、監督から一つ提案がなされた。フランスの若きエース、クレディ・ブルターニュチームのニコラ・ラフォンを、チーム挙げてアシストしてくれないか、と。
 久々に出たフランス人のエース選手、彼を優勝させるために働けば、救いの手を差し出してくれるスポンサーが出る可能性が高い。話してみればニコラは人懐っこくも愛想のいい、気さくな性格で白石との相性も良かった。迷う白石。だが、白石はミッコの為に走ろうと決意する。そんな矢先、今大会で薬物を使用している選手がいる、と噂が立ち始めた。しかもそれはニコラらしい、と。
 一人でもドーピングをする選手がいれば、全ての選手が色眼鏡で見られてしまう。ぴりつく雰囲気の中、とうとう死者が出た。ニコラの幼なじみで親友、チームメイトのドニ・ローラン、死因は脳出血。ニコラは白石に、ドニを殺したのは自分だと告白する。そして、白石には来期から、ドニの代わりにニコラのアシストにつくよう、スカウトが来た。
 彼の真意はどこにあるのか、レースの行方は、そして白石の決意は。…


 ミッコ、という字面からとある人の顔が思い浮かんで大変でした。流れに乗るまでの前半が特に(笑)。…2010年はまだそんなに有名じゃなかったのかな。いや、あの女装家さんを連想したのは多分私だけだから(笑)。
 その影響があった訳ではありませんが、読みながら何だか危ないなぁ、という気持ちがむくむく湧き上がって来ました。お話に関係があることではなく(苦笑;)。…これ、ヨコシマに読む人いるんじゃないかしら(←おいおい;;)。
 友人曰く、私はオタク度は高いけど腐女子度は低いそうで、その私が「おや?」と思ったんだから、水晶体がヨコシマに歪んでいる(©Sさん)腐女子の皆さんはさぞかしわくわくしたんではないかしら。
 いや、お話自体、面白かったんですけどね。自転車レース、しかも海外事情という知らない世界の話なのにぐんぐん読めました。ただ、前作『サクリファイス』があまりにインパクトがあったので、そういう意味ではちょっと印象薄かったかな、と。推理小説ではなく、普通にロードレースの小説として面白かったです。