サイボーグ００９ 18～20巻 石ノ森章太郎著 秋田文庫

　18巻＜スター・マーメイド伝説編＞
　タイタニック号引き上げから海底に眠る異星の女王に出会い、戦争に巻き込まれる『スター・マーメイド伝説編』
　００３が高名な写真家にモデルの依頼をされる　『モダーン・ナルシス編』
　梅雨時、今の日本を憂う００９　『山手線梅雨風景編』
　００６の店に料理評論家が来ることに。００２と００８が材料集めに奔走する　『張張湖飯店繁昌録編』
　母親の胎内にいる七つ子を救う００１　『七ツの子編』
　余命幾ばくもない演劇少女に、そうとは知らず恋をしてしまった００７　『変身編』

　19巻＜時空間漂流民編＞
　亜空間に捕らわれた漂流民が密かに現代を狙う。その影響で００３は誘拐され、００９は襲われる。一般市民が精神を憑依されて異常者が頻発する中、００９達は穏健派代表のサンジェルマン伯爵と組んで、彼らの行く先を決めようとする。　『時空間漂流民編』
　不良少女と００４の交流　『機械仕掛けの心臓編』
　かつて滅ぼした細菌研究所を怨んで、フリードキン教授から００９に届いた復讐の書　『幻影島』

　20巻＜未来都市（ユートピア）編＞
　〈新・黒い幽霊団（ネオ・ブラックゴースト）〉の手から救った未来都市、コンピュータ制御された理想都市が、今度は００９達を襲い始めた　『未来都市（ユートピア）編』
　ツタンカーメンのミイラから取り出された未知のウィルスがばら撒かれ始めた。００３は繰り返しアンケセナーメンの夢を見る。それは特効薬のヒントになった　『ファラオ・ウィルス編』
　００８の故郷、水霊の泉で起こる動物たちの不審死。密猟者の仕業かと思われたが、それだけではないらしい。現地の人々に伝わる成人の儀式から、００８は真相に気づく　『水霊（デイイデ）の泉編』
　眼の見えぬ自分の子に、角膜を残して死んだ父親。たまたまその事故現場に居合わせた００９と００７は、父親の真意を伝えるため、その手術まで少年に付添う。　『父と子編』
　００１が誘拐された。子供を亡くした母親の心の傷を癒す　『誘拐編』

　発表された頃が分からないんですが、＜スター・マーメイド編＞は『銀河鉄道９９９』と同じ頃なのかな。海底で眠る女王の造形が何だか松本零時とよく似ているような…。
　＜未来都市編＞は途中の一話を週刊誌で偶然見かけて、以来結末がとにかく気になっていた話だったので、今回読めて嬉しかったです。短編にも佳作が多かったんだなぁ、と思いつつ。
　ゲストキャラと言うか、出て来る博士たちの顔がいかにも手塚治虫の後継者的な絵柄で懐かしかったです。