読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

実験4号 後藤を待ちながら 伊坂幸太郎著 講談社 2008年

 実在のバンド Theピーズへのオマージュ作品。

 人類の3分の2が火星に移住している近未来。
 後藤も火星に行ってしまった。後藤は俺たちのバンドのギター。時代遅れのロックンロールを、後藤と角倉さんと、俺・柴田とで演奏していた。後藤が抜けてからも、新しいメンバーを探すことなく小学校の校舎裏を借りて二人で練習している。
 児童がたった三人になった小学校から、タイムカプセルが出て来た。中には1989年の音楽雑誌の切り抜き、三人組のロックバンドのインタビュー記事。どうやらそのバンドもギターが抜けて、活動休止になったらしい。自分達と重ね合わせて読み進みながら、柴田と角倉は後藤を待つ。…

 付属の山下敦弘監督の映像作品のDVDは、図書館では残念ながら借りられず。…でもあまり見る気はないんでいいや。(←こらこら;)
 Theピーズというバンドを私は知らなかったのですが、それはそれとして十分楽しかったです。作中のインタビュー記事は大体実際のものとのこと、言葉が本当、伊坂さんの作品っぽくて驚きました。で、とにかくラスト、後味がいい。最初の方で出て来た台詞が後になって効いてくる構成は相変わらず、でそれが爽快で気持ちいい。
 まさしく佳作ですね。好きだなぁ、もっと早く読めばよかった。