読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

GF ガールズファイト 久保寺健彦著 双葉社 2011年

 短編集。
 
 キャッチライト
 一世を風靡しながらも今は落ち目になってしまった元アイドル・間中音乃こと倉田和美。ヘアヌードの誘いも来る30歳、一発逆転の手段として彼女は人気番組『オールスター感謝祭』のミニマラソンコーナーに全てをかける。アマチュア女性枠で一位になり、世間の注目を集めてやる。彼女の決意は二周半まで続いた。

 銀盤がとけるほど
 ペア・スケートに憧れた。フィギュアスケートのコーチをしているお父さんを相手に、菜摘はぐんぐん成長する。でもそれも小学六年生まで。クリスマスの日、お父さんは自動車事故にあって死んでしまった。ぽっかり空いた心の穴を抱えたまま、それでも菜摘はペアの夢を捨てられない。やがて菜摘は、アイスダンスから転校してきた黒川と巡りあう。

 半地下の少女
 貴和は大連で生まれた。それなりに裕福な生活をしていたが、小学校四年生の時終戦を迎え、母親が結核で死ぬ。母の棺桶に入れた人形が広場で売られているらしい、と知ったのは父の知人の半地下の部屋に隠れ住んでいる時だった。決死の覚悟で、貴和は一人家を飛び出し、広場に向かう。

 ペガサスの翼
 翼は小柄ながらもバイクを乗り回す神速ライダー。知り合いのおばちゃんが二人組のひったくりにいたぶられたことに憤り、単身容疑者と目される二人から証言を得ようと企むが返り討ちに。このまま泣き寝入りする訳にいかない。翼は二人に公道レースを挑む。

 足して七年生
 六年生の可奈子は母親がクレーマーだったことから前の学校に居辛くなった。今の学校に転校してからも、前の噂が流れてやはり居心地はよくない。ペアを組んで面倒を見させられている一年生の男の子・拓馬も泣き虫で鬱陶しい。島根の姉妹校にエールを送るというTV番組の生放送で、可奈子は拓馬と人前に出て呼びかけをすることに。やりたくてやる訳ではないのに、クラスメイトは嫌がらせをしてくる。…

 闘う女の子の話を集めた短編集。
 すらすらと読めました。読み易かったんだけど、何なんだろう、何か物足りない。上滑りと言うか軽いと言うか。フィギュアスケートなんか金銭的にかなり余裕がないと続けられないと思うんですが、お父さんを亡くしてまだ続けられるもんなんだろうか。もう強化選手に選ばれてて補助金出てたのかな、と余計なことが気になってしまいました。
 最後の苛めの話とか、同じようなテーマでも辻村深月さんが書いたら、もっとこちらに迫るものがあったんだろうな、と思ってしまう。
 無難ではあるんだけどなぁ。…いや、偉そうにすみません;;