読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

ばらばら死体の夜 桜庭一樹著 集英社 2011年

 …ミステリーじゃなかったのか…。
 ネタばれになってるかも、すみません;

 四十過ぎの翻訳家、吉野解は貧乏学生の頃に下宿していた神保町の古書店「泪亭」の二階で謎の美女、白井砂漠と出会う。
 裕福な家庭に育った妻とは正反対の魅力に強く惹かれ、粗末な部屋で何度も体を重ねる。
 しかし、砂漠が解に借金を申し込んだことから「悲劇」の幕があがる――!
                                          (帯文より)


 とりあえず帯文を書きましたが、何だか違和感ある紹介だなぁ。
 吉野解の白井砂漠への感情は、「強く惹かれ」というような奇麗な言葉ではないような…。
 そもそも見事にミスリードに引っかかってしまいまして;; そのせいでかなり戸惑いながら読む羽目になりました。
 それがなくても、多分この話にはのめり込むとかはしなかっただろうなぁ、とは思います。解の行動があまりにも身勝手に思えたから。大体最初、泪亭の二階に乗り込んでいきなり砂漠を襲った段階で「えっ!?」。砂漠がそれを受け入れた段階でまた「ええっ!?」。そこが砂漠の病んでる所なんでしょうけど、やだなぁ、こういう行動が正当化されるとか思う人はいないとは思いますが、勘違いするあんぽんたんがいませんように;
 多重債務を扱ったもの、として私が思い出すのは宮部みゆきさんの『火車』です。でもニュアンスかなり違いますねぇ。『火車』はまごうことなき悲劇なんですが、こちらは何と言うか、自業自得と言うかもっとレベルの低いところの話(失礼;)と言うか…。
 いや、読まされてしまうんですけどね。