読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

あした吹く風 あさのあつこ著 文藝春秋 2008年

 あさのあつこが描く恋愛小説。

 17歳の高校生・功刀鈴は、34歳の歯科医師・来野美那子と恋に落ちた。
 鈴は父親を12歳の時亡くしていた。幼馴染の少女の、年の離れた姉と不倫関係に陥った挙句、交通事故で死んだ。地方都市での醜聞、自分なりに虚勢を張って生きていても肩身は狭い。しかし、ある日出会った美那子の笑顔が、鈴の心に風穴を開ける。
 美那子は5年前離婚していた。夫・岳彦は美那子の中学からの親友・芙美と恋に落ちていた。夫も親友も失った美那子に、鈴のひたむきさは突き刺さっていく。岳彦から芙美が末期の子宮癌だと告げられ、美那子は芙美と会う決意をする。憎い相手ではなく、友人として。…

 喪失と再生の物語。
 そうか、あさのあつこさんのネーミングって、どうも中二病っぽいところがあってそれが気恥ずかしいんだな、と気付きました。…いや、そんな所どうでもいいやん、って感じなんですけどね(苦笑;)。街の名前が飛鱗、流れる川の名前が龍雅川、湖の名前が天衣湖だもんなぁ。
 34歳の女と17歳の高校生男子との恋愛かぁ。…あるかなぁ。世は熟女ブームだそうですが、難しい気がするなぁ。古い恋を払拭するには、やっぱり上書きなのね~。それでプライドや自信も取り戻せるのかしら、ということで。それを否定してくれた芙美はやはり親友だったんでしょうね。