読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

魔法使いの弟子たち 井上夢人著 講談社 2010年

 ネタばれになってるな、すみません;

 山梨の竜王大学付属病院で、新種のウィルスによるバイオハザードが発生した。週刊誌のフリーライター仲屋京介は取材に向かい、そこでウィルスに感染する。致死率80%を超えるこの伝染病から生還したのは数えるほどで、特に初期の感染者で生き残ったのは仲屋京介と落合めぐみ、めぐみの婚約者でこのウィルスの最初の感染者と考えられる木幡耕三と93歳の興津繁の四人のみ。竜脳炎と名付けられたこの伝染病は彼らにとんでもない後遺症をもたらした。興津には若返りと他人への意識の乗り移りを、めぐみには途方もないサイコキネシスを、仲屋にはサイコメトリを基本に自由自在に過去や未来を見通せる千里眼能力を。ただ、木幡だけは寝たきりのまま意識は戻っていない。
 快復後も仲屋・めぐみ・興津の三人は竜王大学で暮らすことになる。ごく初期に罹患した彼らは伝染病を広めた感染源として、帰る場所を失っていた。このままでは一生大学内で、世間と触れあわず生きて行くことになる。三人は自分達の能力をマスコミに公表することを決意、特にめぐみは積極的にTV番組に出演する。一躍時の寵児になるめぐみ。だが彼女の行動は竜脳炎で家族を喪ったある男の恨みを呼び起こし、聴衆の面前で、彼女は襲われる。だが死んだのは男の方だった。仲屋たち三人には、彼らの意思に関係ない、完璧な生体防衛システムが備わっていた。
 警察による取り調べを受けためぐみは、却って大勢の人間を怪我させ、死に追いやる。自分を追い詰めた相手を返り討ちにしてしまう。三人は人里離れた山奥で暮らし始める。
 彼らへの同情者・理解者も現れて来た中、それでも警察には追われる毎日。ある日興津はサルに襲われ、生体防御システムがあるにも関わらず殺されてしまう。ミイラ状態になった興津の遺体を見て、仲屋はある可能性に気がつく。果たして、寝たきりだった木幡も目を覚ました。所が今度は、そのサルが木幡を襲った。めぐみは激怒し、サルを追い詰めるが警察に邪魔される。人家を襲い始めたサルは、同時にウィルスも撒き散らした。どうやら生体防御システムも持っているらしい。…

 うひょ~。井上さん、かっ飛んだ話書いたなぁ(笑)。
 手塚治虫だ、それも初期の。何だか読んでて、にやにや笑いが止まりませんでした。きりがないほどの超能力が却って爽快。その昔はこんな漫画や小説たくさんあったよね~、と嬉しくなってしまった。内容結構怖かったりするんですけどね。
 興津や木幡の影が薄いな~、と思ってたら本当に薄かった(笑)。
 最後のオチの着け方とかがいかにも井上さんですね。『クラインの壺』とかにも通じるかも。
 多分好みが分かれるでしょうね~。私は楽しかったです。