読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

お好みの本、入荷しました 桜庭一樹読書日記  桜庭一樹著  東京創元社  2009年

 作家・桜庭一樹は稀代の読書魔である。今日も今日とて本を読みつつ、ラスベガスへ、アイルランドへ、そして鳥取へ、サクラバカズキは世界をめぐる!
 2008年4月から2009年5月までの読書日記。

 目次をぱらぱら見つつ、そう言えばこのころ桜庭さん、芸人さんと結婚したんじゃなかったっけ?と思ってたら、やっぱりそうでした。その人は本当、ある日唐突に日記に現れます(笑)。
 もりもり食べて、の部分が少し減ったかなぁ、いや食べてらっしゃるんですけど、何だか今回の本はわさわさ読んで、テレビや雑誌の取材をざくざく受けて、あんにゅいに物思いにふけって、寝て。何故だろう、どこか寂しい。

 ダブリンにて、急激に気分が悪くなって、レストランから部屋へ駆け戻っている最中も追いかけて来る編集さん。…それは私も嫌だなぁ、見せたくないなぁ。それを「飼い主は、猫が死ぬところを見届けたいだろう」って例えるのが桜庭さん。…何だか納得してしまった(笑)。
 結婚して名字が変わって、「久方ぶりに呼吸が楽になった気がしている」。…桜庭さん、そんなに縛られていたの?
 「断ち切った。過去の血の物語が山を越えてこの大都会まで追ってきたとしても、もう、名前がちがうからわたしをうまくみつけられないだろう」 
 「それに、夫がいるから、大丈夫……。門の前にユラユラ立ち、過去の物語からわたしを守ってくれる」。
 …うわぁ、なんて惚気! 電車の中で思わず息を呑みました。

 太宰はギャグとシリアスの振れ幅が凄い、ってのは爆笑問題の太田さんが言ってましたね。狂気と一重のセンス。太宰治は短編集一冊しか読んでないんですよね~、今さらだけど読んだら面白いのかなぁ。できればギャグだけ読みたいんだけど、指南してくれる人欲しいなぁ;
 「わたしたちはもう女の子なんてフワフワしたかわいい生き物じゃなくて、だから、労わられて重い荷物を肩代わりされるより、がんばってるところを見てもらって「がんばったね」と褒められたいのだ……」。…何か凄く解ってしまった。女の子扱いされるのはラクなんだけどね(苦笑;)。
 <PLAYBOY日本版〉終刊前号より、タモリ「はっきり言えば、笑いは男にしかわからないですよ」。…そうかぁ、好きなんだけどなー。ダウンタウンの松本さんも以前、似たようなこと言ってたんですよねー。

 結婚してますますみなしご力がついた桜庭さん。一匹狼ならぬ一匹娘っぷりにも磨きがかかってます。
 “夫という名の見知らぬ男”に引っ張られている桜庭さんは何だか可愛い。読者や編集さんから愛されるのが分かるなー。