読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

ころころろ 畠中恵著 新潮社 2009年

 『しゃばけ』シリーズ第八弾(多分)。
 長崎屋の若だんなの目にまつわる連作短編集。

 はじめての
 若だんな12歳の頃の話。
 お沙衣の母親おたつは、目を病んでいるらしい。かかった町医者は神社への寄進を無心する。目病に霊験あらたかな品陀和気命を祭る為の地鎮具として、金銀真珠に水晶、琥珀瑠璃瑪瑙の七宝が必要なのだとか。こいつは怪しい、と日限の親分や若旦那が動き始めた矢先、件の眼医者がほんの言い訳程度の社を建てて行方をくらまそうとした。若だんなを安心させようと、佐助がとある噂を聞かせる。

 ほねぬすびと
 若だんなの目が見えなくなった。長崎屋では丁度久居藩の贈答品を、大坂から江戸へ船で運ぶ相談を受けたばかり。久居藩の干物はそれまでも何度か失敗してケチのついた品、果たして長崎屋の船で運んだ今回も、籠の中の荷は無くなってしまった。無くなった荷は若だんなの失明と関係があるのか。見えぬ目を見張りつつ、若だんなは真相に気付く。

 ころころろ
 若だんなの目を治そうと、仁吉は最近留守がちである。今日も盛り場を歩いていると、小ざさと名乗る少女に声をかけられた。彼女は自分を捨てた母親を探すために長生きをしたい、河童を食べれば悪鬼にはなるが長生きできると聞いたと言う。そんな話は聞いたことがないと首を傾げながらも、河童には尋ねたいことがある。河童の捕まっている見世物小屋に向かうと、ろくろっ首に骨傘、妖の見える少年万太と次から次へと仁吉を頼って妖たちが集まって来た。仕方がない、仁吉は捕まった妖たちの救出に向かう。

 けじあり
 佐助が所帯を持った。妻と二人、小さいながら小間物屋を営み、幸せな生活を送っていた。だが佐助は何か大切なことを忘れている気がして仕方がない。帳場に毎日置かれる「けじあり」と書かれた紙、鬼を見たと怯える妻。妻の不安の広がりと同調するように店も大きくなって行く。なのにそれを不思議に思わない不思議。やがて妻の恐れる鬼の正体が明らかになり、佐助はこの場の異常に気が付く。

 物語のつづき
 上野は広徳寺にて、若だんなの目の光を奪った生目神が捕まった。若だんなの目を返せと詰め寄る兄や達に対し、生目神は昔話の続きを当てられたらと条件を付ける。ももたろう、浦島太郎、そして神と添った娘の話。若だんなは一つの悲しい可能性を思いつく。…

 おお、佐助が奥さん貰ってるよ、すげー違和感!(笑)
 玉を七つ集めるってドラゴンボールじゃん、一つ一つについて短編一つずつ書いていくのかしら、それにしては残りページが少ないけどどうするんだ、次の本まで続くのか??と思ってたら、案外あっさり決着ついてしまいましたね(笑)。
 今回の隠れテーマは詐欺でしょうか。意図的に相手を騙す話が多かった気がします。オチは察しがついてしまうものもありましたね。
 相変わらず若だんな性格いいなぁ(笑)。