読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

カペー朝 フランス王朝史1 佐藤賢一著 講談社現代新書 2009年

 佐藤賢一が語るフランス王朝史その1。

 …この手の本は読むの時間かかるんですよね~。なのに一向に知識にならない。例え佐藤さんの語りでも…って、ならメモ取りながら読むとかしろよ、って感じですが。
 覚える気なく読むなら面白いんですけど、何しろ知らないことだらけだし。おかしいな、世界史取ってた筈なのに、何だかどの出来事も全く新鮮(笑)。フランス王と言えばルイとシャルルが交互に延々続くイメージがあったのですが、前半はルイとフィリップが続いてたのね~。 
 西フランク王国の宮宰だったロベール家が王位を奪い(でも本人にその意図はあまりなかったようですが)、足固めをしながら領土を広げて行く。最初のうちは存命のうちに息子を共同統治者として立てて自然に王位が継承されていくように、すっかり安定すれば自分の死後に王位が譲られるように工作する。
 継母に嫌われながら有能な人材で周りを固め、サン・ドニ修道院長シュジュを師とし、従兄弟であり親友でもあるヴェルマンドラ伯ラウルに恵まれた肥満王ルイ六世なんか、佐藤さん書いてくれたら凄く面白そうなんですけど。
 妻と別れることで名統治者になった若王ルイ七世、カロリング家の娘を王妃に得て名実ともに「フランス王」となったのに、次に迎えたデンマーク王女インゲボルグに男の自信をぶち壊された(笑)尊厳王フィリップ二世。
 治世が安定し、初めて前王が死んでから王冠を戴いた獅子王ルイ八世は伴侶にも恵まれた代わり、次の世代聖王ルイ九世は嫁姑問題に苦しむし、勇敢王フィリップ三世は偉大な父親の影に苦しむ。
 美貌王フィリップ四世は人材に恵まれたが戦争続きで財政難に苦しみ、教会の神殿騎士団を排除して資産を没収したものの、その呪いを受けたか跡を継いだ息子たちは相次いで夭折。王座はヴァロワ朝へ。
 王様と言えど何とも哀愁漂うと言うか下世話と言うか(笑)。
 佐藤さんが多く舞台にしているのはどうやら次のヴァロワ朝のようですね。副題に「1」と付くからにはきっと「2」もあるんでしょう。一度小説にしたことがある百年戦争を、佐藤さんが改めてどう語るのか楽しみです。
 …その頃にはこの本の内容、きっときれいさっぱり忘れてるんだろうなぁ;