読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

怪しい人びと 東野圭吾著 光文社 1994年

 短編集。

 寝ていた女
 会社の同僚に頼まれて、デート時にマンションの部屋を貸した。噂が広まって、他の同僚まで利用するようになった。ある日帰ると見知らぬ女がベッドで寝ていて、昨夜のことは何も覚えていない、相手もわからないまま帰れないと言い出した。同僚に問い質しても誰も身に覚えがないと言う。彼女の言うことを鵜呑みにするには何か違和感が漂う、彼女の目的は何なのか。

 もう一度コールしてくれ
 三人で組んで、老女の家に強盗に押し入った。警察に追われて、芹沢豊は近所の家に立てこもった。家の主・南波勝久は特に怯える様子もなく、豊に自首を勧める。パトロールの警官からも豊を庇う南波と豊の間には、すれ違いとも言える因縁があった。

 死んだら働けない
 工場の休憩室で林田係長が頭部を撲殺されていた。出入口には内側から鍵がかかっている密室状態、だが真面目すぎるほど真面目な林田を恨んでいる者は見当たらない。林田は休日返上でロボットの鉄鋼製アームの調整をしていたらしい。当初、そのアームの誤作動が原因かと思われた。

 甘いはずなのに
 「私」と尚美はハワイに新婚旅行へ向かった。先日亡き妻との間の忘れ形見・宏子を亡くしたばかりで、「私」は一酸化炭素中毒で死んだ娘は、尚美に殺されたのでないかと疑っていた。

 灯台にて
 東北地方を一人旅をするという「僕」に対し、幼馴染の佑介は、自分が正反対から同じコースを辿って来て中間地点で落ち合うと言うプランを提案してくる。何かつけ自分の優位を見せつけてくる佑介が、「僕」には多少鬱陶しい。佑介との約束の前日、「僕」は灯台守の男に一泊していけと強く勧められる。

 結婚報告
 短大で一緒だった典子が結婚したらしい。だがその結婚報告の手紙に同封されていた写真には、見知らぬ女性が写っていた。不安になった智美は金沢まで典子を訪ねて行くが、典子は旅行に出かけたとかでなかなか会えない。ようやく連絡がついたかと思えば、智美に手紙など出していないという。写真の女性を見るなりこの女性は旦那の元カノだと不機嫌になる。彼女は行方不明になっていた。

 コスタリカの雨は冷たい
 コスタリカの国立公園の中で、妻ユキコと「僕」は二人組の強盗に襲われた。現金からカメラまで奪われて、それでも何とかサンホセまで辿り着いたが、パトカーに乗せてくれた警官は英語が通じず、まるで要領を得ない。治安がいい筈のコスタリカで、しかも国立公園の中で待ち伏せされた事実を不自然に感じる「僕」。パトカーの中で拾ったカメラの電池がきっかけとなり、真相に思い当たる。…


 書架で見かけたので借りました。このくらい古い作品でないと並ばなくなっちゃったのよね~。
 どの作品もするすると読めました。『結婚報告』なんてちょっと引き延ばせば二時間ドラマにぴったり、って感じです。舞台は丁度金沢だし、観光案内も兼ねて。でも作品内では兼六園にも行ってなかったけど(笑)。いや~本当、読み易かったなぁ。