地方の高校から東京の大学に進学した男女三人の独白。
第一部 あいつと私
楡崎綾音が四年間を語る。自意識過剰なのにコンプレックスの塊で、やっとプライバシーを手に入れたのに人恋しく、何者かになりたくてたまらないのに、足を踏み出すののが恐ろしかったあの頃を。小説家にきっとなりたかったのに、書かずにはいられなかったのに、それを口にするのも実際行動に移すのもできなかった大学時代を。
楡崎綾音が四年間を語る。自意識過剰なのにコンプレックスの塊で、やっとプライバシーを手に入れたのに人恋しく、何者かになりたくてたまらないのに、足を踏み出すののが恐ろしかったあの頃を。小説家にきっとなりたかったのに、書かずにはいられなかったのに、それを口にするのも実際行動に移すのもできなかった大学時代を。
第二部 青い花
戸崎衛が語る。ベースを弾いていた衛は大学でジャズ研究会に入る。同学年の木島オズマ、藤川雅也とバンドを組んで、ジャズで四年間を塗り潰した。アドリブのソロが苦手な衛は、のめり込みながらもどこかが冷静で、単位もちゃんと取ったし就職先も決めた。
戸崎衛が語る。ベースを弾いていた衛は大学でジャズ研究会に入る。同学年の木島オズマ、藤川雅也とバンドを組んで、ジャズで四年間を塗り潰した。アドリブのソロが苦手な衛は、のめり込みながらもどこかが冷静で、単位もちゃんと取ったし就職先も決めた。
第三部 陽のあたる場所
新進気鋭の映画監督・箱崎一はインタビューを受けていた。シネマ研究会の後輩だと名乗るインタビュアーの質問を受けて、箱崎は大学時代を思い出す。映画はもっぱら観る方で撮る方ではなかったこと、社会人になってから勤めの傍らで撮り始めたこと、三人で行った映画や空から落ちて来た蛇…。…
新進気鋭の映画監督・箱崎一はインタビューを受けていた。シネマ研究会の後輩だと名乗るインタビュアーの質問を受けて、箱崎は大学時代を思い出す。映画はもっぱら観る方で撮る方ではなかったこと、社会人になってから勤めの傍らで撮り始めたこと、三人で行った映画や空から落ちて来た蛇…。…
読み始めてすぐ、あ、と思いました。これ、『三月は深き紅の淵に』の最終章と似たようなつくりなんだろうか。
私あれ苦手だったんだよな~、最終章でいきなりトーンダウンして、「惜しいッ!」と思った覚えが…とか思いながら読み続けました(苦笑;)。
でも今回は大丈夫でしたね。二章目三章目のおかげかな。
一章目は間違いなく恩田さん自身なんでしょうね。綾音が所属していた、プロを沢山排出している早稲田のミステリ研究会、恩田さんも入ってたんですね。大学時代をもっと有意義に過ごせばよかった、ってのは私も思う時があるなぁ。
今回の話は、また別の話の序章のような感じでしたね。戸崎なり箱崎なりの別の話が描かれそう。
でも恩田さんの作品は、大学生より高校生を書いた方が断然魅力的な気がする。
私あれ苦手だったんだよな~、最終章でいきなりトーンダウンして、「惜しいッ!」と思った覚えが…とか思いながら読み続けました(苦笑;)。
でも今回は大丈夫でしたね。二章目三章目のおかげかな。
一章目は間違いなく恩田さん自身なんでしょうね。綾音が所属していた、プロを沢山排出している早稲田のミステリ研究会、恩田さんも入ってたんですね。大学時代をもっと有意義に過ごせばよかった、ってのは私も思う時があるなぁ。
今回の話は、また別の話の序章のような感じでしたね。戸崎なり箱崎なりの別の話が描かれそう。
でも恩田さんの作品は、大学生より高校生を書いた方が断然魅力的な気がする。