読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

狼と香辛料Ⅸ 対立の町〈下〉  支倉凍砂著/文倉十イラスト  メディアワークス電撃文庫  2008年

 『狼と香辛料』シリーズ9冊目。
 ネタばれあります、すみません;

 キーマンからの呼び出しに怖じ気づき、逃げ出そうとするロレンス。だがホロの後押しによって落ち着きを取り戻し、海獣イッカクを巡る混乱に最後まで付き合うことを決意する。
 ロレンスはキーマンの使いとしてエーブと連絡を取る役を引き受ける。エーブは北と南、どちらにつくのか。わざと時間をかけて返事を書くエーブの姿に、ロレンスはエーブが一人で裏切るつもりであることを見抜く。そしてまたしてもエーブは、ロレンスに片棒を担がないかと誘いをかける。
 町の趨勢は、北側がイッカクの奪回を諦め、南側が相応の金を北側に分配する、と言う流れになっているらしい。出し抜いて土地権利委譲にまで持って行きたいキーマン、その裏をかいてイッカクを持ち逃げしようとするエーブ。間に挟まれたロレンスだったが、ジーン商会のテッド・レイノルズがイッカク買取に名乗りを上げたことで更に事態はややこしくなる。
 レイノルズは貧しい北側の商人、そんな獏大な金をどこから手に入れたのか。どこかの権力者が後ろ盾に付いたのか。北側の権力者と繋がっているなら、因縁の深いエーブはおそらく口封じのため殺される。現にキーマンが拉致監禁に動き始めた。ホロの耳には、レイノルズが現金を持って南へ交渉に向かった、と聞こえて来た。動きがあればすぐわかるような大金を、レイノルズが今この場に持っている不思議。そうしてロレンスは、銅貨の箱の謎の真の意味を理解する。レイノルズの持っている金が不正な手段で手に入れたレイノルズ自身のものなら、エーブが殺される必要はない。ロレンスはそのからくりを説明しようとエーブの監禁場所に走る。…
 
 …ええい、ややこしい;
 粗筋書こうとして、自分がまるで話の内容を理解していなかったことを痛感しました。もう一度読み直した今でも、キーマンが最終的に企んでいたことが何だったのか確信が持てない;(←ばか;;) 交渉相手がエーブだったのは、北の領主の倅との代わり、と考えてよかったんでしょうか。
 ええと、銅貨のからくりは、前巻での種明かし後は税金対策だなんて思いませんでした。初めから二箱ちょろまかしてたんだと思ってました。…これは私が腹黒いってことか?;;
 とりえずキーマンの恨みも買うことなくエーブと和解できました。「狼の骨」を追ってロレンス達はウィンフィール王国へ向かいます。ホロの機嫌は悪くなったようですが(笑)。