読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

千年の時を忘れて 沢村凛著 学習研究社エンタティーン倶楽部 2008年

 『千年の時をこえて』続編。

 万葉集の歌を引いて、色々な謎を解いてくれた平安時代の少年・マコマが、また神社に現れた。しかも今度は「私」静枝だけじゃなくて、美和ちゃんにも健太にも見えるし話もできるようにもなった。
 相変わらず持ち込まれてくる相談に乗る三人とマコマ。不思議な色に輝く石を拾って行ってしまった、柿木君のお父さんに似た男の人を捜し当てたり、ナベちゃんが市長賞を獲った絵に、赤ペンでバッテンを書いた犯人を突き止めたり。銀行で強盗訓練をやっているのを、本当のことかと勘違いして青ざめている女の人の本心を見抜いたのは静枝だったが、無くなったダイアモンドの指輪を誰が盗ったのか、やはり歌を引いて察したのはマコマだった。
 神社から出られない、触れられないマコマへの恋心を自覚する静枝。美和ちゃんとマコマの仲を嫉妬したし、その分マコマとの間がぎくしゃくしたりもした。美和ちゃんや健太の関係も変わって行って、いつまでも仲良し三人組ではいられないらしい。…

 続編が出るとは思いもしませんでした。前回ラストで昇天した筈のマコマ、戻って来ましたねぇ。
 確かに、「万葉集に親しみましょう」的な意味では父兄のウケもよさそうですが、でもそんなに人気ある作品とは思いませんでした(←こらこら;)。
 主人公も周りの子も、恋をすることで相手への思いやりを学んでいく。まぁ正統派と言うか王道と言うか、少し推理小説が入った初恋小説。するする読めた一冊でした。