読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

お釈迦様もみてる~紅か白か  今野緒雪著/ひびき玲音イラスト  集英社コバルト文庫  2008年

 祐巳の弟・祐麒の高校生活を描いた『マリア様がみてる』の姉弟版。
 高校入学式から五月の第二土曜日までの話。
 ネタばれになってるかも、すみません;

 お釈迦様もみてる
 私立花寺学院高校入学式。新入生が校門から入るなり、紅(平氏・文化系)か白(源氏・体育会系)かを選んでいる。花寺学院の中等部にはいたものの高等部に上がるつもりがなかった福沢祐麒には、何のことか訳が分からない。選べないまま関所を突破した祐麒は、入学早々生徒会長・柏木優に目を付けられてしまう。柏木に迫られて意地を張り、源平どちらにも所属しないと言いきった祐麒は、あまり楽しくない高校生活を送る羽目になる。
 クラスでも微妙に仲間外れにされて、なかなか友人もできない。柏木が、祐麒の生徒手帳に落書きしたのも鬱陶しい。生徒会の安藤礼一も色々因縁をつけてくる。だが、上級生に絡まれていた華奢な一年生を助けたことから有栖川(アリス)が、野球部の練習を何となく見学していたことからガタイのいい高田が、友人となる。
 双子だったかもしれない自分の生い立ちや中学の頃の野球挫折経験から、自分の存在に今一つ自信が持てない祐麒。せっかく出来た友人にも遠慮がちになる。姉・祐巳に後押しされ、祐麒は友人二人と共に生徒会に押しかける。

 アンドレの憂鬱:
 花寺学院生徒会副会長・安藤礼一は、尊敬する柏木優が目をかけている一年生・福沢祐麒が気に入らない。柏木に生徒総会で安来節を踊るよう言いつけられた祐麒を見て、先回りして振り付けの分かるビデオを図書館から借り占めてしまう。迫る期日に、祐麒はまるで練習する気配もない。…

 図書館には入れてくれないかと思っていたら、漸く入りました! ありがとう、読めて嬉しい!
 『マリみて』シリーズ祐巳ちゃんの弟・祐麒君のお話。祐巳ちゃんは秋の文化祭までは平穏無事な高校生活を送っていた訳ですが、弟君は入学式から波乱万丈だった訳ですね。リリアン女学園の「姉妹(スール)」の代わりにこちらでは「烏帽子親」「烏帽子子」なる制度があるようで。後々祐巳ちゃんも使うことになる『安来節セット』の経歴も明らかになりました。弟にしては祐麒君、妙に人間ができてた理由も何となく解りましたし。祐麒君、色々挫折経験してるんだねぇ。柏木さんの強引さに付きあってると、そりゃ人間出来てくるわ(笑)。
 ただ、『マリみて』では微笑ましく感じてるゆっくりしたテンポが、少々まだるっこしく思いました。女の子と男の子の差ですかね~。
 それにしても、同学年の子供二人を私立学校に通わせてるって、福沢家ってさり気にお金持ちだよなぁ。