読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

はじまりの島 柳広司著 朝日新聞社 2002年

 ガラパゴス諸島で起きた連続殺人事件の謎を解いたチャールズ・ダーウィンを、記録画家オーガスタ・アールが語る推理小説
 ネタばれと言うか、あらすじ結構後半まで書いてます、すみません;

 長い航海の末、ガラパゴス島に着いたブリッグ型帆船ビーグル号。
 好奇心に満ち満ちた若き博物学ダーウィンには、奇怪な大トカゲ・イグアナも陸を闊歩する大亀も恐れるものではない。早速上陸を開始する。島に降りたのは他に船長のフィッツロイ、フィッツロイの秘書ヘリアー、港々で浮名を流す美丈夫キング、若き宣教師マシューズ、コックのシムズ、フエゴ・インディアンの少年でダーウィンを尊敬するジェイミー、同じくフエゴ・インディアンのヨークミンスター、その婚約者のフェギア、水兵のビリー。やはりこの島に立ち寄って、保存食のためにゾウガメを捕獲していたアメリカの捕鯨船の船員から、船長を銛で殺したスペイン人が島の奥に逃げていると言う情報を得た翌朝、宣教師マシューズの死体が見つかる。
 サボテンと共に革紐で首を絞められていたマシューズ。その日見張りに立っていたヨークミンスターは、このサボテンに近付いた人間はいなかった、と証言する。
 その翌日にはフェギアが何者かに襲われ頭部に大怪我をし、同じ頃島の中心部にあった泉ではコックの溺死体が上がる。フェギアはキングの書いた手紙に呼び出されていたため一時はキングが疑われるが、やがて別の女性に宛てた手紙が利用されたのだと判明する。
 フィッツロイは夜毎、熱病で命を落とした元乗組員の悪夢に悩まされていた。ダーウィンの鞄からはコカの葉をはじめとした色々な薬品が消えている。マシューは未開の地での布教の失敗を思い悩んでいたし、ヨークミンスターは故郷とイギリスとの違いから価値観を狂わせていた。
 アリバイ崩しのためにキングが呼び出された手紙がヘリアーの筆跡だと気付いたアールは、逃げ出したヘリアーを追う。アールは革紐で殺されかけ、ヘリアーは足を滑らせたのか死体で見つかる。突発的な嵐に襲われる中、ダーウィンは連続殺人事件の「動機」に気付き、犯人を指摘する。…

 …ゾウガメって美味しいんだ…。
 そんなにガラパゴス諸島にぞろぞろ上陸して、ゾウガメを食糧にしていたとは知りませんでした。今さら靴を消毒しても…ってそんなこと言っちゃ駄目ですね;
 これもまた、自分に知識がないことが何よりのネック。なくても楽しめはするんだけど、ダーウィンが唱えた進化論がどれだけ当時の価値観をひっくり返したものだったのか、ってのがもう一つ実感を持って来ないので。物欲に囚われてしまったヨークミンスターや価値観が崩れてしまったジェイミーの哀れさは「…あら~;」って感じでしたが。
 それにしても柳さんって、博覧強記な人だなぁ。